今週の金曜日の夜11時からチャットしま~す♪お暇な方は是非ドウゾ♪
この月曜日に一番新入りの同僚が目の前でクビになったって話をしたんですが、説明によると同僚は丁度試用期間が終わった時期だったんですね。三月くらいから入ってた人のような気がしてたんですが、ワタシの産休中に入ってきた人なのでよくよく考えたらもっと後の時期でした。で、六月に入ってきて、今十二月で、試用期間が6ヶ月だったというわけ。この試用期間というのは、この期間の間は何も理由がなくても解雇できるというお試し期間です。試用期間を過ぎてしまうと解雇にはちゃんとした理由がないといけないのですね。で、新入りさんは結局多分あまり仕事の出来ない人だったのでしょうね多分…そこらへんははっきりした説明はされませんでしたがそんな空気ではありました。その上その人職場の諸々について物凄く文句が多かったんですよね。ワタクシがこの職場に勤め始めて試用期間中にクビになった人というのは初めてなんだけれども、物凄く仕事が出来て辞められたら困る!というような人ならともかく、足同僚とかアホ同僚の二の舞、いや三の舞になられたら困るってことで、思い切って早急にお引取り願うことになったのでしょうねえ。でも多分この新入りさんは自分がクビになる可能性はきっと万に一つも考えていなかったと思います。それころクビになる前日まで職場の愚痴をこぼしてましたからね。クビが危ういと知っていたら心を入れ替えて頑張った…のかどうかは不明。
というわけで10人分のオフィスに今5人しかいません。募集は一杯かけてるのに、履歴書は山のように送られてくるってのに、ほんとロクな人材がいない…(--;)この不景気だというのに、やっぱり優秀な人はそう簡単には職にあぶれないってことなんでしょうね。
いきなり当日にクビを言い渡されて人事部の人の監視する前で荷物をまとめさせられるという形で解雇された人は、ワタクシがここに来てから二人目だという話をしたんですが、その一人目の思い出がかなりキョーレツだったんですよね。で、今日はそんな昔話。
それはワタクシがこの職場に来てすぐのことでしたから、もうかれこれ10年は前の話です。大学内の研究センターというものは、丁度大規模な貸しビルの中の店子みたいなものでして、大学そのものは大きいのですが研究センターひとつひとつは個別の会社として自立しているようなもので、個々の規模はとても小さかったりします。ウチの大ボスは別の大学から13年前くらいに移籍して新しく研究センターを立ち上げたので、その当時はウチのスタッフは全部で15人くらいなもので、色んなシステムも整っていなかったんですよね。大学の人事部は勿論しっかりしていますが、研究センター内部の人事に関してはそれぞれに任されており、その頃はまだ職場として若かったので、人を雇ったりマネージするということに関してのノウハウがあまり蓄積されていなかったんです。今は職場として様々な経験を積んだおかげで色んな規則が出来てきたわけですが…。
そんな中、一人の中国人のオジサンがいたんですよ。彼の名はピーター。当然本名ではないのですが、アメリカの職場というのは本名でない通称でID作ったり名刺に載せたりするのが普通に行われているので、人事のスタッフ以外彼の本名は誰も知りませんでした。彼は一応物理学の博士業を持っているという話でしたが、バリバリの中国人で英語もあまり上手くなかったです。東洋人だから若く見えたけれども多分60歳くらいはいっているだろう…という噂でもありました。年齢差別にキビシイアメリカでは職場側がスタッフに年齢を問うのは違法なのです。ピーターさんはプログラマ~で、あるプロジェクトのデータベースを構築するのがお仕事、のはずでした。しかし彼が雇われてから二年経過したというのに、彼が構築している筈のデータベースはどこにも影も形も見当たらなかったんですねえ。今ならもっと色々職場の中のシステムがきちんとしているからもっと早目に対策が取られたのでしょうが、当時は立ち上げたばかりのセンターで、雇ったスタッフはきちんと仕事をしているのが大前提、よくも悪しくも信頼されていたためにそういったチェック機能がまだ確立されていなかったんですね。
で、その「遅れている」データベース製作の梃入れということでプロジェクトチームが組まれ、定期的にミーティングが行われることになり、ベータ版のテストユーザーとしてワタクシも参加してお手伝いすることになったです。ワタクシも当時はまだ青くて色々なことが分かっていなかったので、ヨーシ、新しいデータベース作りに頑張るゾ☆てな感じで張り切ったわけですね。
しかし、そのチームプロジェクトに何か不穏なものを感じ始めるのにそう時間はかかりませんでした…(--;)
ピーターさんそのデータベースのプログラマなわけですから、ミーティングがあれば沢山メモを取る必要が普通あるわけじゃないですか。しかし彼はメモ帳もノートパッドも持って来ない。でそんなピーターさんがミーテイングに何を持参してきたかっていうと、データ関係の古い専門書。…そんなもん持ってきて一体何の役に立つんデスカ??そいでミーティングが始まるでしょ。で、色んな項目について進行状況を上司から聞かれるじゃないですか。その答えが殆ど全て「フクザツな作業なので時間がかかる」の一点張り。お手手は持参した専門書の目次なんかを開いたりするんですが、え、その専門書のページとか引用して質問に答えようっていう…??そしてつまり一体全体何がどこまで進んでるのかね??当たり前ですが上司は渋い顔。それでね、とにかく多少は出来てる部分があるんなら作動確認をしようじゃないかってことで、ミーティングの後でコマンドなんかについて説明してくれって頼んでおいたんですよ。したら全然メールとか来ないからさ、聞きに言ったら「今日はもう帰る時間だから無理」っていうわけです。そのピーターさんは朝はやたらと早く出勤するらしいんだけども、そのとき午後三時ですよ…。もう帰るってアンタ…。それなら代わりに帰る前に関連ファイルを送ってねって頼んだんですよ。そしたら当たり前だけど送ってこない。後日に何度も何度も催促したら、ファイルを送ってくる代わりにモニタ画像をプリントした紙を持ってきやがった…。そりゃ確かにコマンドが一部写ってることは写ってるんだけど…。だ☆か☆ら☆これじゃなくてファイルそのものを送ってくれ!って何度も訴えたんだけど、なんだろう、言葉が全然通じないんですよその人。英語良くワカリマセ~ンみたいなことをヘッタクソな英語でもごもご言われて逃げられた!しかも何度も!こんなんで仕事になるわけがない!とにかく全く埒が明かないので上司に直談判に行ったら、その経過をメールにして送ってくれって言われたんですよ。
でね、ワタクシはそのときそんな裏事情は知らなかったんだけれども、ピーターさんの仕事しなさっぷりは既に上には知れ渡っていて、実はピーターさんには既にクビ勧告が出ていたんですよね。しかしピーターさんは頑なに拒否!拒否どころか、年齢差別で逆に上司を訴えてやる!と噛み付かれたのだそうです。アメリカは確かに即日クビみたいな会社は多いけれども、差別に関しては物凄く敏感な社会。大企業とかはどうか知らないけど、大学みたいなところは体質的に年齢・人種・その他諸々の雇用差別に関してものすご~く気を使っているのであります。だって年齢差別とか人種差別で職員から訴訟起こされたら大体雇用側が負けるもんね…。ただ、ウチのセンターみたいなところは予算が全て他所からの研究資金で回っているため、資金がストップされたらそれはクビにする完璧な言い訳になるわけです。実際にスタッフが優秀であれば他のプロジェクトから頑張れば幾らでも予算を捻り出すことが出来るのだけれども、あまりお仕事の出来ないスタッフがいた場合、該当プロジェクト予算の削減はとても丁度良い理由になるのですね。しかしそのデータベースプロジェクトの予算は当分カットされる予定はないため、ピーターさんをクビにするにはちゃんとした理由が必要なわけです。で、このチームプロジェクトというのはピーターさんのデータベース作成を後押しするためにではなく、ピーターさんをクビにするための証拠集めのために立ち起こされたものであったという…。まあそんなカラクリがあったわけですよ。オトナの事情ってやつです。ワタクシはそんな裏事情なんざ知らないもんだから、ひたすらピーターさんの仕事っぷり、いや仕事してなさっぷりに一人でプンスカ腹を立てていたわけですが。つかベータ版も何も、ピーターさんは実はデータベースなんか一個も作っちゃいなかったのです。
そんなこんなで数週間過ぎたある日のこと、センター内に見たことのない外部のスタッフが二人組でやってきましてね。ピーターさんのデスクに直行ですよ。ウチのオフィスってのは2,3、時には4人部屋のオフィスで、その中は更に頭まである高さの衝立で仕切られていて基本的に仕事してるときは他の人の姿が見えないようになっているのですが、ドアとか近いし会話なんかは聞こえてくるわけです。なんだろうと思って聞いてると、その二人組は人事部のスタッフで、ピーターさんにクビ勧告、デスク周りの私物をまとめるように指示していました。何故人事部が監視してる前で荷物をまとめさせられるかというと、仕事のファイルを勝手にコピーしたりはたまた削除されたりしないように予防なわけです。つまりもし仕事用PCに少しでも私物ファイルとかがあったらそりはもう諦めるしかないわけでね。普通予算削減とかの理由でクビになったりする場合は一ヶ月前とか三ヶ月前くらいに余裕を持って予告されるので、時間をかけてファイルの整理なんかも出来るわけですが、今回のように強制クビの場合はこうして何も準備するヒマも与えられずに私物だけまとめさせられるのです。ピーターさんの反対側のデスクに座っていた同僚は、そろそろトイレに行こうかな~と思っていたところにそんなドラマが繰り広げられ、出るに出られず仕方なく耳ダンボで座り続けていたそうな。
そしたらさ!ピーターさん、一体全体状況が分かっているのかいないのか、その日は5時までオフィスにいさせてくれないかとか頼んでる!多分ピーターさんは他の人に車で通勤の送り迎えをしてもらっているらしくてそういうことを聞いてきたんだろうけど…大学なんだからキャンパス内に、いや職場の外にだっていっくらでも時間潰す場所があるわけですよ。しかしそんなこと聞く神経が凄い!勿論人事部のスタッフは却下ですよ。そしたらピーターさん、なんと!弁当食う時間までオフィスにいていいかなんて聞いてる!!(そのときは朝だった)アナタこの状況ワカッテルノ??勿論それも却下。ピーターさんは物凄く不満そうでした…つかそんな心配してる場合かオッサン。余談ですがピーターさんは毎日魚の入った弁当を持ってきていて、そしてそれを毎日職場の電子レンジでチンするためにオフィス中に魚の匂いが漂いまくり、みんな表立っては何も言わなかったですが結構地味にイラついていたんですよね(笑)そしてピーターさんは荷物をまとめさせられ、そのまま人事部のスタッフに付き添われてオフィスを出て行きました。鍵も返却。ピーターさんの振る舞いがなにやら不穏だったため、ウチのセンターではその後一ヶ月間、オフィスのドアに常時カギをかけることが義務付けられました。報復攻撃を心配していたらしい…(--;)
そんでねピーターさんのデスクの反対側に座ってた同僚とワタクシは仲が良かったため、一緒になってピーターさんのデスクを片付けてたんですよ。なんだかプリントやら紙やらが一杯積んであったからね。そしたらさ!ピーターさんのデスクには…山のように専門書の同じページをコピーした紙が積み重ねてあったです。そして、他にも、コピー機を通した様子だけ残ってる、ただの白い紙の束が一杯。ピーターさんは頻繁にコピー機でコピーを取ってたんですが、それは全て仕事してるように見せかけるための隠れ蓑だったというわけであります…なんてこった。デスクのモニタも常に同じページを立ち上げていたし、要するにこの人は雇われてから丸々二年間、仕事のシの字もせずに仕事してるフリだけをひたすら続けてしのいでいたのでありますよ。すんごいね全く職人技ですよ…。というか二年間も良く気づかれなかったねって話なんですがね。勿論そんな経験を潜り抜けたおかげで今ウチのセンターではきちんと仕事の経過チェックをするシステムが出来上がっております。
更に余談なんだけど、ウチの職場はもっとスタッフの少なかった時期はクリスマスパーティー時にランダムな相手同士でプレゼント交換ということをしていて(予算上限10ドル)そのときに大変運悪くワタクシはピーターさんからクリスマスプレゼントを貰うハメになってしまったのですが、それがどう見てもひしゃげて古ぼけた箱の中に入っていたヘンな運動靴の形をした汚い置物…どう多目に見ても新品ですらなく、はっきり言ってゴミでした(--;)勿論帰宅してすぐに捨てたんですがね。そんな忘れかけてたくだらん記憶まで芋蔓式に蘇ってしまったざます。
日本だと定期的に人事異動とかあるみたいですけど、アメリカにはそういうシステムはないんですね。というか人事異動も何も、同じ職場の持続勤務平均が4,5年とかいう話。勿論ひとところに長くい続ける人もいますけど、早い人なら1年とか2年くらいで転職していってしまいますから、放っといても人員がどんどん入れ替わっていくんですよ。なのでワタクシみたいに同じ職場に長々いるのはかなり少数派。ワタクシは今の職場に1999年に入ったんですけど(前世紀ですな…)、ワタシが入った時期、もしくはその前からいるスタッフはそれこそ大ボスとワタシと、あともう一人しかいません。残りはみ~んな入れ替わってしまったというわけ。そんなわけでピーターさんを覚えている人もごく僅かなのですが、彼の思い出はキョーレツでした…。や、ゲイのPCアドミンのS君もかなりキョーレツな思い出でしたがS君の昔話は既に以前ブログに書いたので今回は割愛。そんな昔のブログは知らん、是非その昔話を聞きたいワって方は↓拍手でも押しといてくださいませ。
この月曜日に一番新入りの同僚が目の前でクビになったって話をしたんですが、説明によると同僚は丁度試用期間が終わった時期だったんですね。三月くらいから入ってた人のような気がしてたんですが、ワタシの産休中に入ってきた人なのでよくよく考えたらもっと後の時期でした。で、六月に入ってきて、今十二月で、試用期間が6ヶ月だったというわけ。この試用期間というのは、この期間の間は何も理由がなくても解雇できるというお試し期間です。試用期間を過ぎてしまうと解雇にはちゃんとした理由がないといけないのですね。で、新入りさんは結局多分あまり仕事の出来ない人だったのでしょうね多分…そこらへんははっきりした説明はされませんでしたがそんな空気ではありました。その上その人職場の諸々について物凄く文句が多かったんですよね。ワタクシがこの職場に勤め始めて試用期間中にクビになった人というのは初めてなんだけれども、物凄く仕事が出来て辞められたら困る!というような人ならともかく、足同僚とかアホ同僚の二の舞、いや三の舞になられたら困るってことで、思い切って早急にお引取り願うことになったのでしょうねえ。でも多分この新入りさんは自分がクビになる可能性はきっと万に一つも考えていなかったと思います。それころクビになる前日まで職場の愚痴をこぼしてましたからね。クビが危ういと知っていたら心を入れ替えて頑張った…のかどうかは不明。
というわけで10人分のオフィスに今5人しかいません。募集は一杯かけてるのに、履歴書は山のように送られてくるってのに、ほんとロクな人材がいない…(--;)この不景気だというのに、やっぱり優秀な人はそう簡単には職にあぶれないってことなんでしょうね。
いきなり当日にクビを言い渡されて人事部の人の監視する前で荷物をまとめさせられるという形で解雇された人は、ワタクシがここに来てから二人目だという話をしたんですが、その一人目の思い出がかなりキョーレツだったんですよね。で、今日はそんな昔話。
それはワタクシがこの職場に来てすぐのことでしたから、もうかれこれ10年は前の話です。大学内の研究センターというものは、丁度大規模な貸しビルの中の店子みたいなものでして、大学そのものは大きいのですが研究センターひとつひとつは個別の会社として自立しているようなもので、個々の規模はとても小さかったりします。ウチの大ボスは別の大学から13年前くらいに移籍して新しく研究センターを立ち上げたので、その当時はウチのスタッフは全部で15人くらいなもので、色んなシステムも整っていなかったんですよね。大学の人事部は勿論しっかりしていますが、研究センター内部の人事に関してはそれぞれに任されており、その頃はまだ職場として若かったので、人を雇ったりマネージするということに関してのノウハウがあまり蓄積されていなかったんです。今は職場として様々な経験を積んだおかげで色んな規則が出来てきたわけですが…。
そんな中、一人の中国人のオジサンがいたんですよ。彼の名はピーター。当然本名ではないのですが、アメリカの職場というのは本名でない通称でID作ったり名刺に載せたりするのが普通に行われているので、人事のスタッフ以外彼の本名は誰も知りませんでした。彼は一応物理学の博士業を持っているという話でしたが、バリバリの中国人で英語もあまり上手くなかったです。東洋人だから若く見えたけれども多分60歳くらいはいっているだろう…という噂でもありました。年齢差別にキビシイアメリカでは職場側がスタッフに年齢を問うのは違法なのです。ピーターさんはプログラマ~で、あるプロジェクトのデータベースを構築するのがお仕事、のはずでした。しかし彼が雇われてから二年経過したというのに、彼が構築している筈のデータベースはどこにも影も形も見当たらなかったんですねえ。今ならもっと色々職場の中のシステムがきちんとしているからもっと早目に対策が取られたのでしょうが、当時は立ち上げたばかりのセンターで、雇ったスタッフはきちんと仕事をしているのが大前提、よくも悪しくも信頼されていたためにそういったチェック機能がまだ確立されていなかったんですね。
で、その「遅れている」データベース製作の梃入れということでプロジェクトチームが組まれ、定期的にミーティングが行われることになり、ベータ版のテストユーザーとしてワタクシも参加してお手伝いすることになったです。ワタクシも当時はまだ青くて色々なことが分かっていなかったので、ヨーシ、新しいデータベース作りに頑張るゾ☆てな感じで張り切ったわけですね。
しかし、そのチームプロジェクトに何か不穏なものを感じ始めるのにそう時間はかかりませんでした…(--;)
ピーターさんそのデータベースのプログラマなわけですから、ミーティングがあれば沢山メモを取る必要が普通あるわけじゃないですか。しかし彼はメモ帳もノートパッドも持って来ない。でそんなピーターさんがミーテイングに何を持参してきたかっていうと、データ関係の古い専門書。…そんなもん持ってきて一体何の役に立つんデスカ??そいでミーティングが始まるでしょ。で、色んな項目について進行状況を上司から聞かれるじゃないですか。その答えが殆ど全て「フクザツな作業なので時間がかかる」の一点張り。お手手は持参した専門書の目次なんかを開いたりするんですが、え、その専門書のページとか引用して質問に答えようっていう…??そしてつまり一体全体何がどこまで進んでるのかね??当たり前ですが上司は渋い顔。それでね、とにかく多少は出来てる部分があるんなら作動確認をしようじゃないかってことで、ミーティングの後でコマンドなんかについて説明してくれって頼んでおいたんですよ。したら全然メールとか来ないからさ、聞きに言ったら「今日はもう帰る時間だから無理」っていうわけです。そのピーターさんは朝はやたらと早く出勤するらしいんだけども、そのとき午後三時ですよ…。もう帰るってアンタ…。それなら代わりに帰る前に関連ファイルを送ってねって頼んだんですよ。そしたら当たり前だけど送ってこない。後日に何度も何度も催促したら、ファイルを送ってくる代わりにモニタ画像をプリントした紙を持ってきやがった…。そりゃ確かにコマンドが一部写ってることは写ってるんだけど…。だ☆か☆ら☆これじゃなくてファイルそのものを送ってくれ!って何度も訴えたんだけど、なんだろう、言葉が全然通じないんですよその人。英語良くワカリマセ~ンみたいなことをヘッタクソな英語でもごもご言われて逃げられた!しかも何度も!こんなんで仕事になるわけがない!とにかく全く埒が明かないので上司に直談判に行ったら、その経過をメールにして送ってくれって言われたんですよ。
でね、ワタクシはそのときそんな裏事情は知らなかったんだけれども、ピーターさんの仕事しなさっぷりは既に上には知れ渡っていて、実はピーターさんには既にクビ勧告が出ていたんですよね。しかしピーターさんは頑なに拒否!拒否どころか、年齢差別で逆に上司を訴えてやる!と噛み付かれたのだそうです。アメリカは確かに即日クビみたいな会社は多いけれども、差別に関しては物凄く敏感な社会。大企業とかはどうか知らないけど、大学みたいなところは体質的に年齢・人種・その他諸々の雇用差別に関してものすご~く気を使っているのであります。だって年齢差別とか人種差別で職員から訴訟起こされたら大体雇用側が負けるもんね…。ただ、ウチのセンターみたいなところは予算が全て他所からの研究資金で回っているため、資金がストップされたらそれはクビにする完璧な言い訳になるわけです。実際にスタッフが優秀であれば他のプロジェクトから頑張れば幾らでも予算を捻り出すことが出来るのだけれども、あまりお仕事の出来ないスタッフがいた場合、該当プロジェクト予算の削減はとても丁度良い理由になるのですね。しかしそのデータベースプロジェクトの予算は当分カットされる予定はないため、ピーターさんをクビにするにはちゃんとした理由が必要なわけです。で、このチームプロジェクトというのはピーターさんのデータベース作成を後押しするためにではなく、ピーターさんをクビにするための証拠集めのために立ち起こされたものであったという…。まあそんなカラクリがあったわけですよ。オトナの事情ってやつです。ワタクシはそんな裏事情なんざ知らないもんだから、ひたすらピーターさんの仕事っぷり、いや仕事してなさっぷりに一人でプンスカ腹を立てていたわけですが。つかベータ版も何も、ピーターさんは実はデータベースなんか一個も作っちゃいなかったのです。
そんなこんなで数週間過ぎたある日のこと、センター内に見たことのない外部のスタッフが二人組でやってきましてね。ピーターさんのデスクに直行ですよ。ウチのオフィスってのは2,3、時には4人部屋のオフィスで、その中は更に頭まである高さの衝立で仕切られていて基本的に仕事してるときは他の人の姿が見えないようになっているのですが、ドアとか近いし会話なんかは聞こえてくるわけです。なんだろうと思って聞いてると、その二人組は人事部のスタッフで、ピーターさんにクビ勧告、デスク周りの私物をまとめるように指示していました。何故人事部が監視してる前で荷物をまとめさせられるかというと、仕事のファイルを勝手にコピーしたりはたまた削除されたりしないように予防なわけです。つまりもし仕事用PCに少しでも私物ファイルとかがあったらそりはもう諦めるしかないわけでね。普通予算削減とかの理由でクビになったりする場合は一ヶ月前とか三ヶ月前くらいに余裕を持って予告されるので、時間をかけてファイルの整理なんかも出来るわけですが、今回のように強制クビの場合はこうして何も準備するヒマも与えられずに私物だけまとめさせられるのです。ピーターさんの反対側のデスクに座っていた同僚は、そろそろトイレに行こうかな~と思っていたところにそんなドラマが繰り広げられ、出るに出られず仕方なく耳ダンボで座り続けていたそうな。
そしたらさ!ピーターさん、一体全体状況が分かっているのかいないのか、その日は5時までオフィスにいさせてくれないかとか頼んでる!多分ピーターさんは他の人に車で通勤の送り迎えをしてもらっているらしくてそういうことを聞いてきたんだろうけど…大学なんだからキャンパス内に、いや職場の外にだっていっくらでも時間潰す場所があるわけですよ。しかしそんなこと聞く神経が凄い!勿論人事部のスタッフは却下ですよ。そしたらピーターさん、なんと!弁当食う時間までオフィスにいていいかなんて聞いてる!!(そのときは朝だった)アナタこの状況ワカッテルノ??勿論それも却下。ピーターさんは物凄く不満そうでした…つかそんな心配してる場合かオッサン。余談ですがピーターさんは毎日魚の入った弁当を持ってきていて、そしてそれを毎日職場の電子レンジでチンするためにオフィス中に魚の匂いが漂いまくり、みんな表立っては何も言わなかったですが結構地味にイラついていたんですよね(笑)そしてピーターさんは荷物をまとめさせられ、そのまま人事部のスタッフに付き添われてオフィスを出て行きました。鍵も返却。ピーターさんの振る舞いがなにやら不穏だったため、ウチのセンターではその後一ヶ月間、オフィスのドアに常時カギをかけることが義務付けられました。報復攻撃を心配していたらしい…(--;)
そんでねピーターさんのデスクの反対側に座ってた同僚とワタクシは仲が良かったため、一緒になってピーターさんのデスクを片付けてたんですよ。なんだかプリントやら紙やらが一杯積んであったからね。そしたらさ!ピーターさんのデスクには…山のように専門書の同じページをコピーした紙が積み重ねてあったです。そして、他にも、コピー機を通した様子だけ残ってる、ただの白い紙の束が一杯。ピーターさんは頻繁にコピー機でコピーを取ってたんですが、それは全て仕事してるように見せかけるための隠れ蓑だったというわけであります…なんてこった。デスクのモニタも常に同じページを立ち上げていたし、要するにこの人は雇われてから丸々二年間、仕事のシの字もせずに仕事してるフリだけをひたすら続けてしのいでいたのでありますよ。すんごいね全く職人技ですよ…。というか二年間も良く気づかれなかったねって話なんですがね。勿論そんな経験を潜り抜けたおかげで今ウチのセンターではきちんと仕事の経過チェックをするシステムが出来上がっております。
更に余談なんだけど、ウチの職場はもっとスタッフの少なかった時期はクリスマスパーティー時にランダムな相手同士でプレゼント交換ということをしていて(予算上限10ドル)そのときに大変運悪くワタクシはピーターさんからクリスマスプレゼントを貰うハメになってしまったのですが、それがどう見てもひしゃげて古ぼけた箱の中に入っていたヘンな運動靴の形をした汚い置物…どう多目に見ても新品ですらなく、はっきり言ってゴミでした(--;)勿論帰宅してすぐに捨てたんですがね。そんな忘れかけてたくだらん記憶まで芋蔓式に蘇ってしまったざます。
日本だと定期的に人事異動とかあるみたいですけど、アメリカにはそういうシステムはないんですね。というか人事異動も何も、同じ職場の持続勤務平均が4,5年とかいう話。勿論ひとところに長くい続ける人もいますけど、早い人なら1年とか2年くらいで転職していってしまいますから、放っといても人員がどんどん入れ替わっていくんですよ。なのでワタクシみたいに同じ職場に長々いるのはかなり少数派。ワタクシは今の職場に1999年に入ったんですけど(前世紀ですな…)、ワタシが入った時期、もしくはその前からいるスタッフはそれこそ大ボスとワタシと、あともう一人しかいません。残りはみ~んな入れ替わってしまったというわけ。そんなわけでピーターさんを覚えている人もごく僅かなのですが、彼の思い出はキョーレツでした…。や、ゲイのPCアドミンのS君もかなりキョーレツな思い出でしたがS君の昔話は既に以前ブログに書いたので今回は割愛。そんな昔のブログは知らん、是非その昔話を聞きたいワって方は↓拍手でも押しといてくださいませ。
| HOME |