ちんたら聖闘士星矢を観ていたら、思っていたよりもアニメ独自の展開が一杯出てきたんですよね。確か当時は原作の雑誌連載が始まってすぐにアニメ化が決定されたので、アニメのストーリーがすぐに原作に追いついちゃって、アニメ独自の設定やらエピソードが山盛り出てきた…ことはうっすら覚えていたんですが、当然詳細は忘れていたんですよ。そんでさ、原作って主人公がいきなりライバルの耳を引き千切ったりだとか、小さな子供がやたらとヤバい感じ(BL的に)叩きのめされてたりだとか、そういう展開が山盛りなんですけれどもさ。アニメオリジナルの設定やらシナリオが入るとそこだけ急にお子様向けに早変わり!ってそのギャップがとにかく凄まじいんですわさ。あの一輝さまがサワヤカに微笑んでたりするだけでも十分ダメージ度高いんですけど…。とにかくそのようにアニメオリジナルの設定はやたらと子供向け臭がするもんで、適当に流し観してたんですけど、ワタクシもスッカリ忘れていたスチールセイントなるキャラが登場した時点でなんか全身からヤな汗が噴き出してまいりましてさ(--;)そうだったこんなヤツラもいたんだった(--)スチールセイントって名称だけでもやたらと安っぽくてプッ(^3^)って感じなのに、ヤツラのクロスってそこだけ切り取って別のアニメに出来そうなくらいにあからさまに組み立て玩具です~って雰囲気で思わず手に汗を握りながら観てしまいましたよ。や、確かに当時の掲載雑誌は「少年ジャンプ」だったわけで、少年向けのアニメならこういう志向は確かに正しいんですけれどもさ。でもさスチールセイントの登場に喜ぶようなお子様はそもそも最初から星矢みたいなアニメは観ないんじゃないかって気もするんですけどね。そういうシナリオ書いたり企画立てたりするお偉いさんって、一体どういう基準で「子供受け」をリサ~チしているのか小一時間問い詰めたいところでございますよ。
まあとにかくスチールセイントの登場に思わず気力が萎えてしまったので、更に懐古趣味に浸ろうと、「キャプテンハーロック OUTSIDE LEGEND」を観ることにしたんですよ。知名度低そうなので知ってる人はあまりいないかもしれないんですね~。2003年あたりに作られたんで割と最近のアニメなんですが、観た方いらっしゃいますかね?こちらはちゃんとDVDボックスを持っているのだ!
や、懐古主義なら昔のハーロックを観ろって話ですけど、やっぱり絵柄はどうせなら綺麗なものを見たいという気持ちもありまして、正直複雑なオトメ心でございますよ(どこが)初代「宇宙海賊キャプテンハーロック」はなんとLDボックスを持ってるんですけどね。調度DVDが出始めの頃に日本からわざわざお取り寄せして買ったブツですよ。というのはね、LDはDVDと違ってリージョンコードがないので、時代を読み切れていなかったワタクシはDVDで買うよりもLDのほうがいいかなって思ったんですよね。正直DVDで出るのを待てばよかったと思う今日この頃。つかねハーロック観るためにわざわざタイ米叩いてLDプレイヤーも買ったんですよ。そしたら時代がすぐにDVDに移行しちゃってはっきり言って負け組です。プレイヤーもディスク自体も収納に場所取るしさあ…(--;)ちなみに「無限軌道SSX」はなんとVHSで持っているので負け(略)
で、この新作(といっても10年くらい前ですけど)なんですけれども、買った当時は一度だけ観て好きになれなくてそのままほったらかしだったんですよね。まずとにかく色調が暗い。当時はまだブラウン管のテレビで観てたんですけど、画面が暗くてよく見えない場面も結構ありまして、ひょっとしてワタクシのテレビの調子がおかしいのかと思っちゃったくらい(--;)テレビはその後買い換えたので、今回は前回見えなかったとこ(爆)もちゃんと見えましたけど、それでも全体的におどろおどろと暗~い色使いだもんで、観てて気分が滅入るんですよ。それにストーリー自体も華がないというか敵もどろどろ幽霊みたいな感じだし、全体的に生命力が無い感じで、正直なところ「…」という感想しか持てなかったんですが、でも今回見直してみたら前回とはまた違った感想を持てたのでちょろっと書いてみます。
お話自体は全部で13話で、昔のテレビシリーズのその後的なストーリーなんですけどね。マゾーンを地球から追い払い、乗組員をほぼ全員地球に下ろしてどっかに行っちゃったハーロックが、地球に新たな敵が迫ってきたことで、散り散りになった乗組員達を迎えに来るって感じの流れのお話なんですよ。ただし続編といってもストーリーが完全に繋がってるってわけじゃなくて、なぜか台場正がまた別設定で新入りとして登場するわけなんです。それでねこの台場君は旧シリーズみたいな熱血じゃなくて、いかにもイマドキの若者なんですよね。やさぐれててそこらのチンピラに喧嘩を売って返り討ちにあい袋叩きにされたりとかさ。アルカディア号に乗せてもらっておきながら、ハーロックに一度も敬語を使わないし「キャプテン」とも呼ばない恩知らずな役立たずですよ。旧シリーズの台場君はお父さんの研究を真面目に手伝ってたけど、新作の台場君はお父さんがやってたようなことは何にも出来ません。顔を見ただけでイラつくようなヤなキャラなんですが、今回観直してみてそこらへんは時代というか世代の移り変わりを表す意味では効果的だったのかもしれないなと思うようになりました。台場君をあえてイマドキの若者にしたことで、更にハーロック像を浮き彫りにするというか。実際初代台場君は将来ミニハーロックになりそうな予感でしたけど、今回の台場君はハーロックとは全く違うタイプの男に成長するだろうなという気がします。それが製作側の狙いかもしれませんね。
というのは今回のハーロックは旧シリーズに比べてもホントに喋らないんですよ(--;)旧シリーズはもっと生き生きしてたと思うんだけど、今回のハーロックには気力があまりない。最初観たときはそこも「え~………」って感想しかなかったんですけど、よく考えてみたらマゾーンを追い出してから一人でフラフラ宇宙を放浪してたわけだし、なんというか今回のハーロックは「若くない」ハーロックってことなんだろうなあと思いました。見かけは別に変わらないし年寄りっていう意味じゃないんだけど、老成したというか、ヤンチャしてたお年頃は過ぎたってことなんでしょうね。死に場所を求めてフラついてたらたまたま新たな敵を見つけたのでついでにやっつけてみようか的な感じですよ。だもんだからそんなに一生懸命に頑張って敵を倒そう!という感じではないんですよね。ただね、松本零士が公式サイトでコメントしてたように、今回のハーロックは完全にりんたろう版解釈ってことなので、監督が「この年代のハーロックならこう行動するであろう」という信念を貫き通したってことでしょうかね。なにせ歩き方からしてすごくこだわってるのが画面からも伝わるんですよ。どんなときにも急いでない。歩くのもゆっくりだし動くのも喋るのもゆっくりで(年寄りだから?爆)ハーロックのいるところだけなんだか時間の流れ方が違うんですよね。死に場所を探す一匹狼的な雰囲気がビシバシ伝わる演出が満載。実際この新作のハーロックはナニ考えてるのか良く分からなくてイライラしたもんですけど、でも無法者なんて結局そんなものじゃない?ってことでなんとなく納得いってしまうというかね。無法者といえば、今回の新作は本当にハーロックの無法者っぷりがよく表されててよかったですよ。最初のほうのエピソードで、ハーロックを捕えようと包囲網を組織した刑事(?)を問答無用で撃ち殺すところがあるんですけど、最初に観たときは「え~っハーロックがこんな血も涙もないことをやるんすか」って一瞬思ったんですよね。だけどよく考えてみたら無法者ってそういうことだよね(--;)なにしろ海賊なんだしさ…。それを考えると、初代のテレビアニメはうんと子供向けに作られてたんだよなって今になってしみじみ思いますよ。まゆとのほのぼのシーンに騙されてたんですよワタシらは。実際原作はもっとハードですもんね。一度自分に銃を向けた相手は泣いて許しを請いても撃ち殺せ!みたいな宇宙で生き延びるための情け容赦ない掟みたいなのがバンバン出てきてたわけですし…。むしろ御大のほうが自分でそういう世界観を作っておいてそれを忘れてるよね(笑)ハーロックって別にいい人じゃないし、ハーロックの魅力は本来別のところにある。それを考えると、今回の新作は製作陣のハーロックに対する思い入れをたっぷり込めて丁寧に作られているよなあと思ったわけですよ。
しかしながら新作ハーロックは今までに比べてハードボイルドに見せかけながら、その実どっぷりと心はトチローに依存してるように見受けられます(--;)死に場所を探し回ってるのもトチロ~が死んじゃったからだし、結局ヌーの精神攻撃に耐えられるのも「心の中に友が住んでいるから」ってアンタそれいまどきあまりにもBLくさくないっすかね(--;)てゆ~か心の中に云々ってジョミ~とお揃い(爆)ハーロックは聖域だからBL的な目では見ないですけど、そう見られてもしょうがねえよなあ…ってとこはありますよね。そういえばワタクシはハーロックの同人誌も数冊所持してるんですよ。自分で買ったわけじゃなくて、昔999関係のネットのお友達が送ってくれたんですけどね。こちらはまだワタクシ的にもあってもおかしくないかなと思うハーロックx正の本もあるし、当時のワタクシにはカルチャーショックでしたけどトチローxハーロックの本もあって、トチロ~とハーロックを見てそういう発想する人はやっぱりいるんだなあと納得の共依存(!)つかトチローが万能すぎるのが問題なんですけどね。昔はエメラルダスの気持ち(ついでにメーテルの気持ちも)サッパリ分からなかったですけど、今になってみるとトチロ~は結婚相手候補のナンバーワンですよ(笑)ハーロックが依存する気持ちも分かるね!年下攻めラブになった今では鉄郎xメーテルも非常にすんなり納得いきますしね。この新作だって、結局最後はトチロ~が全部どうにかしてくれちゃったですしね。ホントトチロ~に任せておけば世界は安泰ですよ。トチロ~は死んでも一人で楽しくやってるのに、ハーロックはみんなを振り回すだけ振り回して、はっきりいってハーロックが一番無責任な男ですよ(--;)今回だって結局また乗組員を下ろして最終決戦に挑むなら、わざわざ乗組員を最初に迎えに行くなよなって感じですものねえ。せっかく喜び勇んで戻ってきた乗組員を期待させるだけさせた上でまた落とすってどうなのさ…(--)実際乗組員がいなくたって、戦うだけなら中央コンピューターと二人(?)で戦えばいいじゃんね。乗組員を都合のいい女扱いするのはけしからん。キャプテンを名乗ってるくせに本当にヤツは人間関係にだらしなくて迷惑な男ですよプンプン。だけどさトチロ~って死んだといっても結局中央コンピューターとして生きてるんだから、一体何が不満なのかしらと思わずにはいられませんよ。一緒に旅を続けてる筈なのにいつまでメソメソしてやがんだこの男はよぉ…。
しかしナニが言いたいかっていうと、この作品はいかに理不尽でも「それがハーロック」という一点張りで押し通してくるもんで、ああそうかそんなもんかなって思わず頷いちゃうんですよね(笑)まあね、男にとっての理想の男像と女にとってのそれとはまた全然別物ですからね。一応女(!)のワタクシにハーロックの行動原理が理解できなくても当然かなっていう気もします。よくわかんなくてもハーロックがイイ男ってことには変わりないし(笑)でも言葉や行動などに現れて分かりやすくいい男という意味では(顔抜きで)ハーロックよりもヤッタランとか魔地機関長のほうがいい男ではありましたけどね。製作側はそうやってハーロックの分かりにくくてミステリアスな面をわざわざ強調したかったのかもしれませんね。
あと意外にも有紀螢の役どころが粋でよかったですよ。有紀螢にならハーロックをくれてやってもよい!(誰が許可した)まあね残念なことにどんな女もミーメには勝てないわけですけどね(--)ハーロックはいい加減ペットはトリさんかミーメかどっちか一本に絞ったほうがよいと思われます。ワタクシなら当然トリさんを選びますけどね!でもある意味有紀螢って松本ワールドの中では一番報われない女性キャラなんじゃなかろうか。映画「我が青春のアルカディア」で取ってつけたように出てくるハーロックの恋人マーヤよりはよっぽど有紀螢の方がお似合いだと思うんですがねえ。そういえば今気づいたけどこのシリーズにはエメラルダスのエの字も出てこないですね。まさにそこが「りんたろう版」ってことなんでしょうけど。これが御大のアイデアだったら当然エメラルダスも出てくるだろうしメーテルやら鉄郎やら、ヤマトだって無理矢理出すに違いないですよ。そういう意味では余計なキャラは徹底的に出さない方針は悪くないですけどね。でもまあまゆを出したあたりに個人的なこだわりは感じますけど(笑)実際今回のまゆはちょい役だけど可愛かった(^^)
そしてなによりもこの作品は、アルカディア号がとにかくカッコイイ!一番の見所はアルカディア号ですよと断言しても過言ではないほどです。今までのシリーズとは重量感も質量感も完全に違います。特に正面からの煽りがカッチョエ~(うっとり)正直この作品は他が気に入らなくてもアルカディア号だけでも見る価値はあると思います。ウンウン。多分製作側の意図としてはアルカディア号が主役ってところはあったかもしれませんね。
考えてみると今までのアニメ化って大体どれも子供受けを狙ってるところがあったけれどOutsideLedendは全く子供に媚びてない、ハーロック大好きな大人(つか年寄り)が大人向けに作ったアニメなんですよね。そういう意味では安心して視聴できるアニメではあります。うっかりスチールセイントとか出てこないしさ!(笑)以前のシリーズの台場正やらまゆやらは、子供が共感できるようなキャラに作られていたわけですけど、今回の台場正は単なるヘタレだしまゆは単なるちょい役。所謂教育的なお話でもないですしね。ただひたすら海賊の美学とアルカディア号にどっぷり浸かれる作品に仕上がっております。つまり完全にマニア向き。だから好き嫌いは物凄く分かれると思います。
そんなこんなで、一見さんには結構厳しいと思われる「Outside Legend」ですけれども、実際アニメとしては愛情込もっててとても丁寧に作りこんであるし完成度は高いので、鬱々した気分をとことん味わいたいときには(--;)じっくり観てみるのもいいんじゃないかと思います。ワタクシ?またもう一度観返す予定ですが何か。だってなんだかんだ言ってハーロックはカッコイイもん(今まで書いた意見は一体…)でも井上真樹夫のハーロックも恋しいので、昔のシリーズもちょっと観直してみようかなと思っています。ハーロックといえばワタクシ的には井上真樹夫バージョンが一番ですよ…。
そういえば新作ハーロックで検索したら、フルCGバージョンの動画がYouTubeに出てたんですけどアレは一体なんですか。2012年に公開される予定の新作映画がどうこう書いてあったんだけど、フルCGのハーロック…正直言って見たくない(--;)新作といえばそういえばハーロックサーガのLDも持ってたんだった。アレは正直なかったことにしたいです。そういえばダナサイトもLDで買っちゃったんだった。アレも正直なかったことに(略)
というわけでちょっとしばらく松本零士モードに突入するかもしれません。何しろ原点でございますからして。
拍手ぱちぱちありがとうございます♪(^。^)
まあとにかくスチールセイントの登場に思わず気力が萎えてしまったので、更に懐古趣味に浸ろうと、「キャプテンハーロック OUTSIDE LEGEND」を観ることにしたんですよ。知名度低そうなので知ってる人はあまりいないかもしれないんですね~。2003年あたりに作られたんで割と最近のアニメなんですが、観た方いらっしゃいますかね?こちらはちゃんとDVDボックスを持っているのだ!
や、懐古主義なら昔のハーロックを観ろって話ですけど、やっぱり絵柄はどうせなら綺麗なものを見たいという気持ちもありまして、正直複雑なオトメ心でございますよ(どこが)初代「宇宙海賊キャプテンハーロック」はなんとLDボックスを持ってるんですけどね。調度DVDが出始めの頃に日本からわざわざお取り寄せして買ったブツですよ。というのはね、LDはDVDと違ってリージョンコードがないので、時代を読み切れていなかったワタクシはDVDで買うよりもLDのほうがいいかなって思ったんですよね。正直DVDで出るのを待てばよかったと思う今日この頃。つかねハーロック観るためにわざわざタイ米叩いてLDプレイヤーも買ったんですよ。そしたら時代がすぐにDVDに移行しちゃってはっきり言って負け組です。プレイヤーもディスク自体も収納に場所取るしさあ…(--;)ちなみに「無限軌道SSX」はなんとVHSで持っているので負け(略)
で、この新作(といっても10年くらい前ですけど)なんですけれども、買った当時は一度だけ観て好きになれなくてそのままほったらかしだったんですよね。まずとにかく色調が暗い。当時はまだブラウン管のテレビで観てたんですけど、画面が暗くてよく見えない場面も結構ありまして、ひょっとしてワタクシのテレビの調子がおかしいのかと思っちゃったくらい(--;)テレビはその後買い換えたので、今回は前回見えなかったとこ(爆)もちゃんと見えましたけど、それでも全体的におどろおどろと暗~い色使いだもんで、観てて気分が滅入るんですよ。それにストーリー自体も華がないというか敵もどろどろ幽霊みたいな感じだし、全体的に生命力が無い感じで、正直なところ「…」という感想しか持てなかったんですが、でも今回見直してみたら前回とはまた違った感想を持てたのでちょろっと書いてみます。
お話自体は全部で13話で、昔のテレビシリーズのその後的なストーリーなんですけどね。マゾーンを地球から追い払い、乗組員をほぼ全員地球に下ろしてどっかに行っちゃったハーロックが、地球に新たな敵が迫ってきたことで、散り散りになった乗組員達を迎えに来るって感じの流れのお話なんですよ。ただし続編といってもストーリーが完全に繋がってるってわけじゃなくて、なぜか台場正がまた別設定で新入りとして登場するわけなんです。それでねこの台場君は旧シリーズみたいな熱血じゃなくて、いかにもイマドキの若者なんですよね。やさぐれててそこらのチンピラに喧嘩を売って返り討ちにあい袋叩きにされたりとかさ。アルカディア号に乗せてもらっておきながら、ハーロックに一度も敬語を使わないし「キャプテン」とも呼ばない恩知らずな役立たずですよ。旧シリーズの台場君はお父さんの研究を真面目に手伝ってたけど、新作の台場君はお父さんがやってたようなことは何にも出来ません。顔を見ただけでイラつくようなヤなキャラなんですが、今回観直してみてそこらへんは時代というか世代の移り変わりを表す意味では効果的だったのかもしれないなと思うようになりました。台場君をあえてイマドキの若者にしたことで、更にハーロック像を浮き彫りにするというか。実際初代台場君は将来ミニハーロックになりそうな予感でしたけど、今回の台場君はハーロックとは全く違うタイプの男に成長するだろうなという気がします。それが製作側の狙いかもしれませんね。
というのは今回のハーロックは旧シリーズに比べてもホントに喋らないんですよ(--;)旧シリーズはもっと生き生きしてたと思うんだけど、今回のハーロックには気力があまりない。最初観たときはそこも「え~………」って感想しかなかったんですけど、よく考えてみたらマゾーンを追い出してから一人でフラフラ宇宙を放浪してたわけだし、なんというか今回のハーロックは「若くない」ハーロックってことなんだろうなあと思いました。見かけは別に変わらないし年寄りっていう意味じゃないんだけど、老成したというか、ヤンチャしてたお年頃は過ぎたってことなんでしょうね。死に場所を求めてフラついてたらたまたま新たな敵を見つけたのでついでにやっつけてみようか的な感じですよ。だもんだからそんなに一生懸命に頑張って敵を倒そう!という感じではないんですよね。ただね、松本零士が公式サイトでコメントしてたように、今回のハーロックは完全にりんたろう版解釈ってことなので、監督が「この年代のハーロックならこう行動するであろう」という信念を貫き通したってことでしょうかね。なにせ歩き方からしてすごくこだわってるのが画面からも伝わるんですよ。どんなときにも急いでない。歩くのもゆっくりだし動くのも喋るのもゆっくりで(年寄りだから?爆)ハーロックのいるところだけなんだか時間の流れ方が違うんですよね。死に場所を探す一匹狼的な雰囲気がビシバシ伝わる演出が満載。実際この新作のハーロックはナニ考えてるのか良く分からなくてイライラしたもんですけど、でも無法者なんて結局そんなものじゃない?ってことでなんとなく納得いってしまうというかね。無法者といえば、今回の新作は本当にハーロックの無法者っぷりがよく表されててよかったですよ。最初のほうのエピソードで、ハーロックを捕えようと包囲網を組織した刑事(?)を問答無用で撃ち殺すところがあるんですけど、最初に観たときは「え~っハーロックがこんな血も涙もないことをやるんすか」って一瞬思ったんですよね。だけどよく考えてみたら無法者ってそういうことだよね(--;)なにしろ海賊なんだしさ…。それを考えると、初代のテレビアニメはうんと子供向けに作られてたんだよなって今になってしみじみ思いますよ。まゆとのほのぼのシーンに騙されてたんですよワタシらは。実際原作はもっとハードですもんね。一度自分に銃を向けた相手は泣いて許しを請いても撃ち殺せ!みたいな宇宙で生き延びるための情け容赦ない掟みたいなのがバンバン出てきてたわけですし…。むしろ御大のほうが自分でそういう世界観を作っておいてそれを忘れてるよね(笑)ハーロックって別にいい人じゃないし、ハーロックの魅力は本来別のところにある。それを考えると、今回の新作は製作陣のハーロックに対する思い入れをたっぷり込めて丁寧に作られているよなあと思ったわけですよ。
しかしながら新作ハーロックは今までに比べてハードボイルドに見せかけながら、その実どっぷりと心はトチローに依存してるように見受けられます(--;)死に場所を探し回ってるのもトチロ~が死んじゃったからだし、結局ヌーの精神攻撃に耐えられるのも「心の中に友が住んでいるから」ってアンタそれいまどきあまりにもBLくさくないっすかね(--;)てゆ~か心の中に云々ってジョミ~とお揃い(爆)ハーロックは聖域だからBL的な目では見ないですけど、そう見られてもしょうがねえよなあ…ってとこはありますよね。そういえばワタクシはハーロックの同人誌も数冊所持してるんですよ。自分で買ったわけじゃなくて、昔999関係のネットのお友達が送ってくれたんですけどね。こちらはまだワタクシ的にもあってもおかしくないかなと思うハーロックx正の本もあるし、当時のワタクシにはカルチャーショックでしたけどトチローxハーロックの本もあって、トチロ~とハーロックを見てそういう発想する人はやっぱりいるんだなあと納得の共依存(!)つかトチローが万能すぎるのが問題なんですけどね。昔はエメラルダスの気持ち(ついでにメーテルの気持ちも)サッパリ分からなかったですけど、今になってみるとトチロ~は結婚相手候補のナンバーワンですよ(笑)ハーロックが依存する気持ちも分かるね!年下攻めラブになった今では鉄郎xメーテルも非常にすんなり納得いきますしね。この新作だって、結局最後はトチロ~が全部どうにかしてくれちゃったですしね。ホントトチロ~に任せておけば世界は安泰ですよ。トチロ~は死んでも一人で楽しくやってるのに、ハーロックはみんなを振り回すだけ振り回して、はっきりいってハーロックが一番無責任な男ですよ(--;)今回だって結局また乗組員を下ろして最終決戦に挑むなら、わざわざ乗組員を最初に迎えに行くなよなって感じですものねえ。せっかく喜び勇んで戻ってきた乗組員を期待させるだけさせた上でまた落とすってどうなのさ…(--)実際乗組員がいなくたって、戦うだけなら中央コンピューターと二人(?)で戦えばいいじゃんね。乗組員を都合のいい女扱いするのはけしからん。キャプテンを名乗ってるくせに本当にヤツは人間関係にだらしなくて迷惑な男ですよプンプン。だけどさトチロ~って死んだといっても結局中央コンピューターとして生きてるんだから、一体何が不満なのかしらと思わずにはいられませんよ。一緒に旅を続けてる筈なのにいつまでメソメソしてやがんだこの男はよぉ…。
しかしナニが言いたいかっていうと、この作品はいかに理不尽でも「それがハーロック」という一点張りで押し通してくるもんで、ああそうかそんなもんかなって思わず頷いちゃうんですよね(笑)まあね、男にとっての理想の男像と女にとってのそれとはまた全然別物ですからね。一応女(!)のワタクシにハーロックの行動原理が理解できなくても当然かなっていう気もします。よくわかんなくてもハーロックがイイ男ってことには変わりないし(笑)でも言葉や行動などに現れて分かりやすくいい男という意味では(顔抜きで)ハーロックよりもヤッタランとか魔地機関長のほうがいい男ではありましたけどね。製作側はそうやってハーロックの分かりにくくてミステリアスな面をわざわざ強調したかったのかもしれませんね。
あと意外にも有紀螢の役どころが粋でよかったですよ。有紀螢にならハーロックをくれてやってもよい!(誰が許可した)まあね残念なことにどんな女もミーメには勝てないわけですけどね(--)ハーロックはいい加減ペットはトリさんかミーメかどっちか一本に絞ったほうがよいと思われます。ワタクシなら当然トリさんを選びますけどね!でもある意味有紀螢って松本ワールドの中では一番報われない女性キャラなんじゃなかろうか。映画「我が青春のアルカディア」で取ってつけたように出てくるハーロックの恋人マーヤよりはよっぽど有紀螢の方がお似合いだと思うんですがねえ。そういえば今気づいたけどこのシリーズにはエメラルダスのエの字も出てこないですね。まさにそこが「りんたろう版」ってことなんでしょうけど。これが御大のアイデアだったら当然エメラルダスも出てくるだろうしメーテルやら鉄郎やら、ヤマトだって無理矢理出すに違いないですよ。そういう意味では余計なキャラは徹底的に出さない方針は悪くないですけどね。でもまあまゆを出したあたりに個人的なこだわりは感じますけど(笑)実際今回のまゆはちょい役だけど可愛かった(^^)
そしてなによりもこの作品は、アルカディア号がとにかくカッコイイ!一番の見所はアルカディア号ですよと断言しても過言ではないほどです。今までのシリーズとは重量感も質量感も完全に違います。特に正面からの煽りがカッチョエ~(うっとり)正直この作品は他が気に入らなくてもアルカディア号だけでも見る価値はあると思います。ウンウン。多分製作側の意図としてはアルカディア号が主役ってところはあったかもしれませんね。
考えてみると今までのアニメ化って大体どれも子供受けを狙ってるところがあったけれどOutsideLedendは全く子供に媚びてない、ハーロック大好きな大人(つか年寄り)が大人向けに作ったアニメなんですよね。そういう意味では安心して視聴できるアニメではあります。うっかりスチールセイントとか出てこないしさ!(笑)以前のシリーズの台場正やらまゆやらは、子供が共感できるようなキャラに作られていたわけですけど、今回の台場正は単なるヘタレだしまゆは単なるちょい役。所謂教育的なお話でもないですしね。ただひたすら海賊の美学とアルカディア号にどっぷり浸かれる作品に仕上がっております。つまり完全にマニア向き。だから好き嫌いは物凄く分かれると思います。
そんなこんなで、一見さんには結構厳しいと思われる「Outside Legend」ですけれども、実際アニメとしては愛情込もっててとても丁寧に作りこんであるし完成度は高いので、鬱々した気分をとことん味わいたいときには(--;)じっくり観てみるのもいいんじゃないかと思います。ワタクシ?またもう一度観返す予定ですが何か。だってなんだかんだ言ってハーロックはカッコイイもん(今まで書いた意見は一体…)でも井上真樹夫のハーロックも恋しいので、昔のシリーズもちょっと観直してみようかなと思っています。ハーロックといえばワタクシ的には井上真樹夫バージョンが一番ですよ…。
そういえば新作ハーロックで検索したら、フルCGバージョンの動画がYouTubeに出てたんですけどアレは一体なんですか。2012年に公開される予定の新作映画がどうこう書いてあったんだけど、フルCGのハーロック…正直言って見たくない(--;)新作といえばそういえばハーロックサーガのLDも持ってたんだった。アレは正直なかったことにしたいです。そういえばダナサイトもLDで買っちゃったんだった。アレも正直なかったことに(略)
というわけでちょっとしばらく松本零士モードに突入するかもしれません。何しろ原点でございますからして。
拍手ぱちぱちありがとうございます♪(^。^)
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