ASIAの独り言

在米ジョミブル者の独り言。全て自己責任でお読み下さい。
愛の妄想劇場・オペラ座の怪人
昨日の日記で書いたスーザン・ボイルなんですけども、この声で是非「オペラ座の怪人」を聞きたいなあと思ったわけです。そうしたらアタシのゴーストが囁くわけですよ、「オペラ座の怪人でジョミブルなんていいんじゃない?」と…。ジョミブルにハマってからアタシのゴーストはホントにいつもいつも耳元でブツブツ煩いのよ奥さん。てなわけでオペラ座の怪人・ジョミブルバージョンいってみよ~↓



オペラ座の怪人は勿論ブル~様!彼はその昔「天使の美声」「奇跡の音色」ともてはやされ、遠方から多くの貴族達が一目その姿を見たいと足を運ぶ、オペラ座のスターでした。しかし、ブルーの声に狂った貴族達がなんとかしてブルーを自分達だけのものにしたいと取り合いになり殺し合いになったりして、多くの血が流れたのです。あまりにも多くの血が流れたことにより呪術師マザー・イライザの逆鱗に触れ、ブルーには呪いがかけられてしまいました。美しかった顔には、決して外せない能面のような仮面が張り付けられ、ブルーは人前に一切その姿を見せることはかなわなくなり、その上オペラ座から一切出られない体にされてしまったのです。その上、年も取らずに永遠にオペラ座で沢山の歌い手がその声を披露し、喝采を浴びる様を冷たい地下や暗い通路で聞きながら生きていかなければならない身にされてしまったのです…。

で、最初はクリスティーンがじょみさんってことで考えたんですが、それだとどうも盛り上がりに欠けるので、ラウルでいいじゃんラウルでってことにあっさり役者変更。代わりにクリスティーンはフィシス様ですよ。生まれた時から目が見えず、せっかく良い声をしているのにオペラに出させてもらえないフィシス。フィシスの弟トォニィはオペラ座の花形スタァなのでフィシスはいつもオペラ座にいます。ラウルことじょみさんはフィシスとトォニィの従兄弟で、オペラ座のある都市からは離れた郊外に住む子爵様です。そうだよラウルって原作では子爵様なんですよね~ガストン・ルルーの原作版は大昔に読んだので内容は全然覚えていないんですが。

まあとにかく、ジョミーは郊外の静かな暮らしが気に入っており、都会の喧騒は好まないのですが、従兄弟のトォニィから「たまにはロンドンにも出て来いよ、僕の舞台も見て欲しいし」と懇願されて、一度くらいは見ておくかとオペラ座にやってきたのであります。久々のトォニィ&フィシス姉弟と色んな話に花を咲かせますが、そのときにフィシスが「私も実は今ボイスレッスンを受けているの」と歌ってみせたところ、シロウトのジョミーもビックリするほどの美声でした。フィシスは元々声は良かったのですが、盲目ということで今まで歌のレッスンを受けさせてもらえたことがなかったのです。ジョミーが一体誰にレッスンを受けているんだいと聞くと、フィシス様は「楽屋裏から天使様の声が聞こえるの」とワケの分からんことを言うばかり。トォニィは浮世離れした姉に慣れっこですので、オペラ団の誰かがレッスンをつけているのだろうとまともに取り合わないのですが、誰もいない夜中に楽屋裏から聞こえる天使の声といういかにも夢物語のような話にジョミーは興味を持つわけです。支配人とお金で話をつけ、しばらくオペラ座に寝泊りさせてもらうことにしました。支配人の話によると、オペラ座にはオペラ座の怪人と呼ばれる呪われた幽霊が住み着いているというのですが、実際にその姿を見たものは誰もいません。

翌日皆が寝静まった頃、真っ暗闇の中を光を全く必要としないフィシスが裸足で楽屋へと向かいます。こっそり後をつけるジョミー。そしてジョミーは目の当たりにするのです、楽屋の壁に向かって話しかけるフィシス、それに応えてフィシスにレッスンをつける壁の向こうの美しい声を。せっかく良い声をしておりながら、目が見えないせいで誰からも真面目に取り合ってもらえなかったフィシス。壁の向こうの天使とやらはどうやら男性のようです。フィシスを「僕の女神」と呼び、「君はいつかこのオペラ座一の歌姫になる。君の夢をかなえてあげたいんだ」と優しく力づけてあげながらフィシスの歌にレッスンをつけています。普段はあまり会わないものの、小さい頃から夢見がちなこの従妹をジョミーは大層気にかけておりましたので、そのようにフィシスに懇切丁寧に世話を焼いてくれるその声の持ち主に非常に好印象を持ちました。そう、そして…ジョミーはこの美しいテノールの歌声の持ち主にすっかり心を奪われてしまっていたのです。

レッスンは二時間ほどで終わり、フィシスは真っ暗闇の中を全く危なげのない足取りで自分の部屋に戻っていきます。ジョミーはそれを見届けると、急いで楽屋まで戻り、オペラ座の怪人を呼び出すのです。

「ファントム!いるんだろう、出てきてくれ!!」

何度も大声を上げると、ふと壁の裏に人の気配を感じました。オペラ座の怪人です!

「…何故、僕を呼ぶ?見たことの無い顔だね、君は誰だい」
「僕の名はジョミー・マーキス・シン。フィシスの従兄弟だ。君は…一体何者だ?!」
「…とっくの昔に人々から忘れ去られてしまった者さ…」
「君は、本当に幽霊なのか?ずっとここに住んでいるのか?フィシス以外の者が君の存在を知らないのは何故なんだ?」
「僕はずっとここにいる。もうどれくらいになるのか…僕にも分からない」

あまりにもジョミーが次から次へと矢継ぎ早に質問を浴びせかけてくるもので、壁の向こうの存在が苦笑しているような雰囲気がジョミーにも伝わってきます。そのうちに「僕はもう行くよ。今夜のことは忘れたまえ」と言い残して怪人の声は掻き消えてしまいました。

ジョミーは怪人の存在が頭から離れず、次の夜も、その次の夜も、フィシスの後をつけてはレッスンを覗き見し、レッスンが終わってフィシスが自室に戻ると楽屋に入って怪人と会話を試みるということを続けたのです。戻ってきたジョミーに驚きながらも、楽屋裏の怪人は少しずつ話を聞かせてくれました。幼い頃から歌うことが夢だったのに盲目のため誰もまともに受け取ってもらえなかったフィシスを不憫に思い、こうしてレッスンをつけていることを。

「フィシスの声は本物だ。そのうちオペラ座一の歌姫になる。彼女の名声はロンドンだけでなく、世界中に広まるだろう。僕は彼女の夢を叶えてあげたいんだ…」

まるで自分のことのように嬉しそうに語る怪人の声は、しかしどこか寂しげです。奇跡のように美しい声を持って生まれたことは、決して怪人のせいではないはず。それなのに、醜い人々の争いに巻き込まれて罰を受けることになってしまった彼。ジョミーの胸は、孤独な怪人のためにきゅっと切なく締め付けられるようでした。呪いをかけられて閉じ込められてからというもの、まともに会話を交わしたのはフィシスだけという怪人。ジョミーはもっと彼のことを知りたくて夜中に熱心に楽屋に通いつめるようになりました。ジョミーの熱意に負けたのか、怪人はぽつぽつと自らの身の上話を聞かせてくれるようになりました。曰く、幽霊ではないけれども大昔かけられた呪いのために永遠に年を取ることも死ぬことも叶わず、オペラ座から出ることも叶わず、オペラ座の地下を彷徨いながら日々を過ごしていること。その顔をほぼ覆い尽くすかのような仮面をつけられていること。かけられた呪いのためオペラ座の人々がひしめく表側にも出て来れないのだが、オペラ座のあちこちの壁にかけられている鏡からこちら側が見えるので、オペラ座の人々の様子はよく見通せること。鏡を通して人々を見つめる自分の存在に、目の見えないフィシスだけが気づいて、幼い頃から鏡に向かって自分の話し相手になってくれたこと。

「君の姿も見えるよ。君は太陽のように輝く黄金の髪をしているね。太陽など、もうどんな姿をしていたかも忘れてしまったけれど…」

ジョミーは怪人から良く見えるよう、自ら鏡の前に立ちます。鏡の向こうに、怪人の存在をはっきりと感じ取り、ジョミーは鏡に手を当てます。鏡の向こうで、手を当てた部分の向こう側に怪人が自らの手を当てる気配が伝わってきました。

「貴方の名前を…教えてください」
「…ブルーと…呼ばれていたことも、あったよ…」
「ブルー…素敵な名ですね」

ジョミーはそのまま自らの顔を鏡に近づけ、鏡に口付けます。

「…ジョミー…!君は…っ!」

鏡の向こうの存在ははっきりと動揺した気配を見せてぐらりと揺れ、瞬く間に消えてしまいました。

「長く生きている割には意外と照れ屋なんだな…」

そっと自らの唇をなぞるジョミー。ジョミーは、姿を見たこともないオペラ座の怪人、ブルーに恋をしてしまっておりました…。

次の日の夜、いつものように声をかけても返事を返してくれないブルーに焦れて、ジョミーは鏡に向かって何度も呼びかけなければなりませんでした。やっと聞こえた答えは、どこか感情を押し殺しているかのような硬い声です。

「明日の夜…全てが終わる。明日の公演のプリマドンナはフィシスに交代ということになるだろう。公演はきっと大成功になる。彼女の夢がやっと叶う日が来るんだ。そうすればフィシスは王宮に呼ばれることになるだろう。だから君ももうここに来る必要はなくなるよ」
「僕がここに通っているのはフィシスのためじゃない…貴方ももう分かっている筈だ、僕の気持ちを…」
「君はただ僕の声が気に入って舞い上がっているだけさ。もしくは同情か…僕はどのみちここから出ることはできないよ」
「では、僕が貴方の元へ」
「それは駄目だ。君が僕にかけられた呪いに触れてここから永遠に出られなくなるところを見たくない」
「それでも僕は貴方と一緒にいたいんです!」
「ジョミー、君は僕の姿を見たことすらないだろう。僕も、この仮面の下にどんな顔が眠っているのかもう分からないんだ。きっと物凄く老いさらばえて醜い顔になっているよ。」
「貴方がどんな姿であっても、構わない…僕のこの手に貴方を抱くことが出来るのであれば…!」
「ジョミー!馬鹿を言うんじゃない、聞き分けたまえ!」
「僕は…もう、おかしくなってしまったのかもしれません。見たこともない貴方のことばかり考えて、気が狂いそうだ…!」
「ジョミー……」
「僕が…貴方を思ってどんなことをしているか、見せてあげます…」
「…ジョミー、何を…」

鏡の前でジョミーの手が自らの体を滑り降りていき、下衣の前を寛げます。中で息づくジョミーのモノは、既に雄々しく育ち切り、さらに触れられるのを待ち構えているかのようです…。鏡の向こうの気配が息を呑みます。

「ほら…貴方のことを考えるだけで、こんなに…」
「…!」

鏡の前で、ことさら見せ付けるようにジョミーの手が淫らに蠢き始めます。

「貴方も…本当は、僕とこうしたい…でしょう…?」
「…あ…」

鏡の向こうから泣きそうな吐息が漏れ聞こえます。そしてほんの微かですが、衣擦れの音も。

「ブルー、もっと鏡に近づいて。僕の手に…手を当てて…」
「…っ、…」

鏡に手を当て、鏡に映った自らの姿に向かって自分自身を愛撫するジョミー。一見非常に倒錯した情景ですが、鏡の向こう側からは確かにもう一人の人間の存在が感じ取れます。そして明らかに近距離から奏でられる、微かな喘ぎ声…。

「ジョミー、駄目だ…こんな…っ」
「キス、して、ブルー…」

ゆっくり鏡に口付けるジョミー。唇に触れるガラスが、冷たい筈なのに反対側の気配のぬくもりを感じさせます…。やがて、ジョミーの手の動きが早くなり、熱っぽい視線で鏡を見つめたままジョミーは絶頂を迎え、冷たいガラスの表面に熱い飛沫が飛び散ります。鏡の向こうからも、嬌声を噛み殺すかのような詰めた息が何度か聞こえ、やがて人ががくりと床に座り込んだような気配が伝わってきました。

「…ね…?僕はこんなに貴方が好きだ…」
「駄目…だ…ジョミー、こんなことは、もう…」

荒い息が収まってきた後の、すすり泣くようなか細い答えが鏡の向こうから漏れ聞こえます。ジョミーは鏡に縋りつくようにして更に愛を訴えます。

「お願い、僕を貴方の元に行かせてください…。一緒に呪いにかかっても構わない、貴方の傍にいられるなら…」
「駄目だ、駄目…だ…もう君はここに来てはいけない…もう君には二度と会わないよ…」
「ブルー、どうしてそんなことを言うんです!お願い、僕を受け入れて…!」
「駄目だ!もうここには来るな。オペラ座からも出て行け。僕のことなど忘れるんだ…」

震える声でそれだけ言い残すと、鏡の向こうの気配は完全に消えてしまいました。

次の夜、ブルーの言ったとおり、舞台装置の事故によるプリマドンナの交代によりフィシスがプリマドンナを務めました。女神のように美しいその歌声を披露したフィシスは、オペラ座の観客の喝采を全身に浴びておりました…。

夜遅く楽屋を訪れたジョミーですが、夜通し呼びかけてもブルーから応えが来ることはありませんでした。ジョミーは諦めず、それでも毎晩通い続けました。たとえ返事をしてくれなくても、ブルーには自分の言葉は聞こえている筈。そう信じて、ジョミーは毎夜、答えをくれないブルーに一人で語り続けました。

一ヵ月後、ブルーの言葉の通りにフィシスは歌姫として王宮から招待されることになりました。王宮での特別公演のため、オペラ座の人々は皆出払ってしまっておりました。せっかくの王宮からのご招待、親戚のよしみで一緒においでよというトォニィからの誘いもジョミーは振り切りました。オペラ座に人が誰もいなくなったのは、オペラ座が始まって初めてのことかもしれません。しかしジョミーはこっそり忍び込みました。自分のような運命を辿って欲しくなくて愛を拒否するブルーに、どんな手を使ってでも自らの愛を受け入れてもらおうという決心があったのです。誰もいなく静まり返ったオペラ座で、ジョミーは鏡の前に立ちました。その手には、小道具ではなく、ジョミー自身が護身のためにいつも持ち歩いている短剣を手にしています。一体彼はこれからどうしようというのでしょう。

「ブルー!僕は本気です!もし貴方のところに行かせてくれないなら、僕は今この場で喉を切り裂いて死にます!」
「貴方にこれからずっと会えないなら、生きていても死んでいても同じことだ!」

鞘からすらりと剣を抜き、ジョミーは刀身を自らの喉に向けて構えます。…返事はありません。しかし、オペラ座の中で死ねばブルーと同じ運命を辿れるかもしれないとジョミーは覚悟を決め、手にした剣を振り上げました。

すると、部屋の隅に、今まで壁しかなかった筈のところに、いきなり小さな姿見が現れました。ジョミーが驚いてそちらを見ると、自分と部屋の中を写していた鏡が、急に違う像を結び、鏡の向こうに暗い通路が見えました。震える手でジョミーが鏡を押したところ、鏡はずずっと壁の中にめり込み、まるで扉のように向こう側に開きました。その先にはぽっかりと薄暗い通路が広がっておりました。ジョミーは固唾を呑むと、暗い通路に足を踏み入れました。ジョミーが扉を抜けると、その後ろで扉が閉じ、鏡だったところは真っ暗な壁になってしまいました。通路はいつしか曲がりくねった洞窟となり、地下へ地下へと潜っていくようです。いきなり視界が開けたかと思うと、そこには大きな鍾乳洞が広がっておりました。小さなランプと簡素な寝台、そして一人佇むフードを被った人影…。

「ブルー!」
「…どうして、ジョミー、僕は君をこんなところに連れてきたくなかったのに…」

肩が震えています。ジョミーはブルーに駆け寄ると、体を振り向かせて抱きしめました。ブルーは身を捩って抵抗しましたが、ジョミーは構わず、その存在を確かめるかのようにしっかりとブルーを抱き込みます。

「ブルーなんですね…本物の、貴方だ…」
「こんな思いをするのは、僕一人で沢山だったのに…君は、馬鹿だ…」
「いいえ…僕は後悔しません。貴方と一緒にいられるなら」

ジョミーの腕の中の体は、思ったより華奢でした。髪はさらさらとした銀髪です。話の通り、顔を大きく覆うのっぺりとした能面のような仮面も全く気にしない様子で、ジョミーは泣いている様子のブルーの顔を持ち上げると初めての口付けを交わします。

「間違えないで下さい、僕は自ら望んでここまで来たのだから」

涙を流し続けるブルーを宥めるように口付けを何度も降らせ、ジョミーはブルーをゆっくり寝台に押し倒します。

「貴方の全てを、僕に下さい…祝福も、呪縛も、何もかも全部…僕が一緒に引き受けます」

愛してしまったジョミーをこのような過酷な運命に巻き込んだことが辛く、しかしそれを押し切っても自分の元に来てくれたジョミーの存在が嬉しく、ブルーはただただ涙を流し続けながらジョミーの熱い楔をその体内に受け入れます。

しかし、二人が一つになったその瞬間…、今までブルーが何をしても決して外れなかった、ブルーの仮面が、ガラスのように粉々に砕け散ったのです!

「あ…?」

驚いて自らの顔を瞬時に隠そうとするブルー。ブルーは自分がどのような醜い男になっているかが怖くて、ジョミーから顔を背けました。しかし、ジョミーの優しい手がそれを許さず、ブルーはゆっくりとジョミーのほうへと顔を向けさせられました。すると…二つの紅玉のような美しい瞳、雪のように白い肌、銀色の絹糸に縁取られたまるで白磁のビスクドールのような美貌が涙目でジョミーを見つめているではありませんか。

「ブルー…とても綺麗だ…」
「え…」

繋がった部分からズクリとジョミーの熱が伝わり、ブルーは慌ててジョミーにしがみつきました。二人はそのまま愛を確かめ合い…暗い鍾乳洞に二人の嬌声が絡み合って響きました…。

情交の熱も冷めやらぬまま、ブルーは手を伸ばすと床に散らばった仮面の欠片を拾い上げました。

「信じられない…今まで何をしても決して外れなかったのに…」

同様にジョミーも仮面の欠片を拾い上げると、ジョミーの手の中で仮面がじゅうっとまるで蒸発するように消えてなくなりました。

「あれ…?」

他の欠片も拾い上げてみましたが、やはりどれもこれもジョミーの手の中で消えていきます。

「…何か…変だ…」
「ブルー?」

初めて会ったばかりの美しい想い人につい見とれてしまったジョミーですが、ブルーは何か耳を澄ませているようでした。

「ジョミー、服を着て。何かが起きている。ここにいたら危ないかもしれない…」

二人が慌てて服を身に着けたところ、地の底から地響きが聞こえてきました。段々大きくなります。

「ジョミー!ここは危ない、早く外に…!」

地面が激しい勢いで揺れ始めました。鍾乳洞を抜け、洞窟と地下水路を抜け、暗い通路まで手を繋いで二人はひた走ります。そして行き止まりの壁に行き当たりました。しかしブルーが逃げられるのはここまでです。呪いのせいで、外部から入ってくるものに扉を開けてやることはできても、ブルーは自ら外に出て行くことができないのですから…。

「君だけなら、まだ逃げられるかもしれない…。ここから楽屋に出られるから、早く君は外に出るんだ。」
「いやです!僕は貴方を置いて一人でなんてどこにも行きません!」

扉が開いたところを、ジョミーは繋いだ手を強く引きました。するとどうしたことでしょう、ブルーの体は、ジョミーと一緒に…楽屋の中に倒れ落ちました。仮面が砕けたそのときに、呪いが解けたのです!呪術師マザー・イライザがブルーにかけた呪いを、ジョミーの真摯な愛情が打ち砕いたのであります!驚きもつかの間、地震の振動はオペラ座まで揺るがしています。どうやら、ブルーとオペラ座にかけられた呪縛が解けた時点で、オペラ座も崩壊する運命だったようなのです。他に誰もいなかったのが幸いで、二人は命からがら崩れ落ちるオペラ座から逃げ出すことが出来ました。

轟音を立てながら完全に瓦礫の山と化したオペラ座を呆然と見つめるブルーを、夜明けの光が照らします。長い夜が…明けたのです。暗闇の中でほんのりと光る銀髪も綺麗でしたが、朝日に照らされてキラキラと輝く銀髪もとても綺麗です。ブルーは呆然と自らの手についた擦り傷を見つめています。今までは怪我をすることすらできなかったのに…ブルーは元の人間に戻れたのです。感慨に言葉も出ずに自らを抱きしめるジョミーに、ブルーはただただしがみつくことしかできませんでした…。

ジョミーはそのままブルーを郊外の邸宅に連れ帰りました。オペラ座は完全に取り壊され、新しい劇場が建設されました。フィシスは世界にその名を響かせる歌姫となり、トォニィと共にあちこち公演で忙しい日々のようです。ごくたまにジョミーとフィシス&トォニィ姉弟が会う機会があり、フィシスはブルーの正体に気づいたようなのですが何も言わず、その代わり「貴方とジョミーのこれからに祝福を」とブルーの頬に口付けただけでした。ブルーはジョミーと二人きりのときだけ、ねだられれば小声で歌うこともありますが、他の誰にもその歌声を聞かせることは一生ありませんでした。二人はいつまでも幸せに暮らしました。終わり。


エンディングはジョミーが鏡の中に取り込まれて二人でいつまでもオペラ座を見守りました、っていうほうがお話としては綺麗に纏まるだろうとは思ったのですよね。しかし個人的に薄暗いエンディングが好きでないので、ムードを犠牲にしてもカラリと明るいハピーエンドにいたしました。だってほのぼの愛好家だもん。

…というわけで、スーザンさんのおかげで萌えが一つ増えました。沢山の希望と夢を分けてくれたスーザンさんありがとう!(色々と台無し)
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