ASIAの独り言

在米ジョミブル者の独り言。全て自己責任でお読み下さい。
愛の妄想劇場:耳なし芳一
今回は耳なし芳一のパロです…。以前日記でちょっと話題に出した、「官能昔話」のCDの続編「官能昔話:怪談」が出たらしいのですね。例によってWEB拍手の管理ページで知ったわけですが(笑)「怪談」という単語で真っ先に思い出したのが、耳なし芳一だったというわけです。それからラピュ夕妄想のときに、全身に入れた刺青がどうこうってあたりで、なんかこれって全身に経文っていうのと似てるなぁ…と思っていたらこんなのを思いついたという。

先にお断りしておきますが、今回はギャグです。というかものすごいアホ話です。なので、どんなアホ話でも大丈夫!っていう心の広~い方だけお読みください…(--;)



昔々あるところにジョミ~という、それはそれは可愛らしい少年がおりました。ジョミ~は親を早くに亡くしてしまったのですが、年の離れた従兄弟のキースが色々と生活の面倒を見てくれておりました。口は悪いが面倒見の良い従兄弟のキースは大変に力のある僧侶でした。ジョミ~は別に自分も僧侶になるつもりはありませんでしたが、キースのお寺のこまごまとしたお手伝いなど引き受けたりして日々を過ごしておりました。

ある日ジョミ~がキースのお使いで森の中を歩いていたところ、罠にかかった白狐を見つけました。大変に毛並みの艶やかな、それはそれは美しい狐です。毛並みは白を通り越して、まるで銀の粉がかかったように輝き、目は柘榴のように深紅です。こんな美しい毛皮の狐が獲れたとあれば、それはそれは高く売れることでしょう。ジョミ~は可哀想に思って、罠を外し、手持ちの薬草で簡単に狐の足の手当てをしてやりました。お腹が空いていそうに見えたので、持参のおむすびを分けてあげると、白狐はとても空腹だったらしく目の前ではぐはぐと食べました。その様子が大層愛らしく、ジョミ~は狐の頭を撫でてあげて「もう罠にかかっちゃいけないよ、気をつけてお帰り」と声をかけると、白狐は足を引きずりながら森の中へと消えていきました。

それから、ジョミ~は森の中を歩いていると、時々視線を感じるようになりました。そんなときにあたりを見回すと、茂みの中からぴょこんと白い耳が見えたり、田んぼの向こうに白狐とナキネズミという大きな鼠が並んでちょこんと座っていたり。従兄弟のガミガミキース(笑)以外に親も兄弟もいないジョミ~は、そんな狐に自分の成長を見守っていてもらっているような気がして、なんだか嬉しくなったりしたものです。

子供だったジョミ~はすくすく成長し、見目麗しい青年になりました。子供の頃はお寺の中で寝起きしていたジョミ~ですが、僧侶ではないのでお寺の敷地の隣にある小さな小屋で寝起きするようになりました。昔は寺の手伝いくらいしか出来なかったジョミーですが、ジョミーは薬草で薬を作る腕がなかなかに長けており、寺つきの薬師としてそれなりに生計を立てております。

そんなある夜、ジョミ~の元をお供を連れた貴人が訪ねてやってきました。ジョミ~の薬の噂を聞きつけ、薬を分けてもらいに来たというのです。ブルーと名乗るその貴人は非常に身分が高そうな立ち居振る舞いな上に大層美しく、抜けるような白い肌に世にも珍しい銀色の髪と紅い目をしておりました。なんだかあの狐に似てるなぁ…と思いながら、ジョミーはうっとりと見とれてしまいます。しかし貴人のお目当ての薬は残念なことにたまたま薬草が切れていたので作り置きがなく、明晩また出直してもらうことにしました。

貴人の客が帰ると、ガミガミキ~ス(笑)がやってきました。キースはなんだかんだ言って面倒見が良く、時折こうして用事を頼みにくるがてらジョミ~の様子を見にやってきたりします。キースは家の中に入ると、はっとして鼻の穴を大きく膨らませながらフンスカと家の中の空気のニオイを嗅ぎました。

「お前…今ここに誰か来てたか」
「薬を分けてくださいっていうお客さんが来たけど、何?」
「なにやら妖怪のニオイがするぞ。一体どんな化け物を家に入れたんだ…お客っていうのはどんな感じだった?」
「…え~っと、銀の髪に紅い目で…お供を連れてて、凄く綺麗な人だったよ」
「!お前、そいつは人間じゃない、妖狐だぞ!」
「えぇ~っ??」

キースが言うには、300年の昔からその地方に住み着いている妖怪の狐というのがいて、お殿様やら位の高いお公家様、はたまた修行を積んだ高僧などをたぶらかしては堕落させて弄んでいた、それはそれは性悪の狐なのだそうです。ジョミ~の描写がその狐が人間に化けたときの言い伝えとそっくりなのだそうです。

「でも、そんなに悪いひと、いや狐には見えなかったけど…」
「貴様はだから甘いというのだ!相手は300歳の妖狐だぞ、頭からバリバリ喰われるかもしれんのだぞ!」

そしてキースはジョミ~の知らなかった新事実をジョミ~に告げます。ジョミ~は実は世にも珍しい体質をしており、妖怪の好む魂、体なのです。普通の人間には分からないのですが、キースのように修行を積んだ僧侶や妖怪にはジョミ~の体が発する甘いニオイがプンプンするのだそうです。キースが昔からジョミ~に対してガミガミ口煩かったり、寺で寝起きさせて僧侶の見習いなどさせていたりしていたのは、そうして厳しく見張っていないとジョミ~がいつ妖怪に喰われてしまうか心配でならなかったからなのだそうです。

「お前が妖狐に取り付かれて喰われたなんてことになったら、死んだお前の両親に申し訳が立たん…そういえばその妖怪は今夜また来ると言っていたんだな?」
「う、うん…」
「よし、こうしよう。お前、守り刀くらいは持っているな。俺がお前の全身に、経文を書いてやる。そうすれば妖怪にはお前の姿が見えなくなるから、家の中に入ってきて油断しているところを刀で一突き!全て一件落着だ」
「えぇ~キースったらお坊さんのクセして…殺生はよくないよ、暴力反対!」
「そんな寝ぼけたことを抜かしている場合か!いいから俺の言う通りにしろ!」

一旦言い出したら聞かないガミガミ従兄弟のこと、しぶしぶジョミ~はキースの言う通りにすることにしました。夕方になるとキースは墨と硯持参でやってきて、有無をも言わさずジョミ~の服を引っぺがし、口の中でむにゃむにゃとお経を唱えながらジョミ~の全身にさらさらと経文を書いていきます。さすがプロといおうか…と変なところでジョミ~が感心していると、一通り経文を書いていたキースが、へその下くらいでピタリとその筆の動きを止めました。その顔を見下ろすと、なんだかすご~くすご~くイヤそうに顔を歪めており、何かを必死で我慢するかのようにこめかみがプルプルと震えておりました。

「…?キース、どうかしたの?まだ終わってないんじゃ…」
「…俺がやるのはここまでだ。お前、それは自分で書いとけ」
「え、えぇ~?僕が?自分で?」
「尻は従兄弟のよしみで我慢して書いてやったが、そんなものに触るのは死んでもごめんだ!」

そしてキースは薄情なことにそのまま帰ってしまいました。…というわけで、ジョミ~は全身に経文を書かれ、しかし…肝心の男の大事な部分だけは手付かずでそのまんまというどうにも珍妙な格好で立ち尽くしてしまいました。確かにジョミ~も一応子供の頃は寺で僧侶の真似事のようなこともしていたので、お経を書くことくらいはできるのですが…。しかし、自分のモノを自分で持ちながらお経を書き付けるという行動はいかにも情け無さ過ぎるというかなんというか、元々あまりジョミ~はキースの作戦に乗り気ではなかったのと、全身にお経を書いたら妖怪には見えないという話がなんだかいかにも眉唾だと思っていたのもあり、まあいっか~なんとかなるだろうとそのままにしておくことにしました。一応キースに言われたとおり、守り刀くらいは用意しておきましたが…。

そして夜が更け、とんとんと扉を叩くものがおります。狐に違いない…。じょみは物音を立てないようにじっと座禅を組んだまま様子を伺っておりました。控えめに扉が開き、夕べの貴人がお供を連れて家の中に入ってくると、扉を閉めました。

「あれ…おかしいね、じょみーがいないよ」
「本当だね、どうしたんだろう何か用事があったのかな」
「いないなら術解いちゃおうか」
「そうだね…ああ、やっぱりジョミーの家だね、甘くていいニオイがする」
「ぶるーって本当にじょみのことが好きだよね~」
「失礼だなあ、別にあんな子好きなんかじゃないよっ」

ぽむ、と音がすると、お供の者は動物の姿になりました。よく白狐の隣に座っていたナキネズミです!ということは…?貴人の方をそっと伺うと、貴人の方があの、子供だったジョミ~が罠から助けた銀色がかった美しい白狐の姿になっているではありませんか。ガミガミキースの言うことは本当だったのです!しかし驚いている暇はなく、ナキネズミが自分の方をじ~っと見るではありませんか。ひょっとしてばれた?!

「ねぇぶるー…あれ、なんだろう」
「ん?おや、これは…人間のアレだよ、宙に浮いてる。なんて不思議なんだろう」

そうなのです…ジョミ~はすっかり失念していたのですが、そういえば自分のナニに経文を書いていないのでした!つまり…何もないところに自分のナニだけブラリとぶら下がっている状態に見えるのに違いないのです!ガミガミ従兄弟の言いつけを守らなかったことをこれほど後悔したことはありません。しかしじっとしてればどうにかなるかも知れないと、ジョミ~は息を潜めました。しかし自分達が妖怪なせいか、そんな世にも不思議な光景を目の前にして獣達二匹は全く動じません。家中良いニオイだねじょみ~の甘いニオイだねなんて言いながら二匹の獣はテトテトと自分の方に近づいてきます。

「ジョミ~がいないから丁度いいや、この人間のナニで遊んじゃおうかな」
「ねぇぶる~やめなよそんなの、例の古狸の悪戯かもしれないよ、お腹壊すかもよ」
「だって~この家ジョミ~のいいニオイで一杯だし、大体僕はず~っとしてなくてたまってるんだ、もう我慢できないよっ」
「まあもう狸の奴は懲りたかもしれないけどねーぶるーがコテンパンにしちゃったもんねー」
「だってしょうがないだろう、僕のジョミーに手を出そうとするから悪いんだ。自業自得だ」

(狸?手を出す?『僕の…ジョミー』…?)

ぽふ、と音がして、白狐があの貴人の姿に戻りました。しかし人間の美しい姿に銀色の耳と尻尾がついてます。貴人はジョミーのナニの前に跪くと、しげしげと宙にぽつんと浮いたジョミ~のナニを眺めます。ジョミ~は今度こそおしまいだと、息を潜めて身を縮めました。

「なんだか凄く美味しそう…いただきま~す♪」

ぱくり。

(ひえぇぇぇっ!!)

じょみは内心絶叫を上げました。何故って、あの綺麗な貴人が自分のナニをぱっくりと咥えてしまったからなのです。狐もナキネズミも元々獣なので倫理観だの羞恥心だのの垣根は非常に低いらしく、ナキネズミは平然としてぱたぱた尻尾を振りながら呆れたように麗人を眺めています。貴人はナキネズミがいるのにも全く構わない様子で、ジョミ~のモノをそれはそれは嬉しそうにピチャピチャと舐め回しています。

(あっ、あっ、す、すご…っ…)

「ホント~にぶるーってへんなところで純情だよね~そんなにじょみが好きなら食べちゃえばいいのにー。昔はいろんな人間を彩りみどり食べまくってたクセに、どうしてじょみのことは食べないの?」
「何を言うんだ、僕は人間なんかダーイキライだっていつも言ってるだろ?それに僕はこう見えても泣く子も黙る妖怪白狐だよ?貴族ならいざ知らず、あんな平民の子を狙う程僕だってガツガツしちゃあ…」
「うそばっかりー、あんなちっちゃな子供のときからずーっと見てたクセに~他の妖怪に取られないように守ってるくせに~じょみに会ってからず~っと禁欲してるくせに~だからそんなにたまってるくせに~」
「う、うるさいな!僕はただ自分が先に目をつけたものにちょっかい出されるのがイヤなだけ!…あ、すご~いこれ、本物みたい!汁が出てきたよ~あぁんなんだろうこれ、すご~く甘い!美味しい…もっと出ないかな…あぁ、これがジョミ~のだったらいいのになぁ…はむはむ」

(守ってるって…え?、あ、ちょ、ちょっと…やばいんですけど…あ、もう、ダメ…)

さすがは徳を積んだ高僧をも堕落させたというだけあって、妖狐の舌技は絶妙です。プロです。それはもう凄いのです。それに妖怪とは分かっていても、これだけの美貌を持つ麗人がはふはふと夢中になって自分のモノをしゃぶっている、その壮絶に色っぽい表情だけでもうジョミ~は昇天してしまいそう…。甘い汁をもっと出させようとする白狐に一際強く吸い上げられ、ジョミ~はもう涙目で声を堪えながらイってしまいました。

(も、もう、で、出ちゃう~っ、あ、ああぁ~…)

「あ、すご~い、甘~い、甘露みた~い、美味し~い♪」
「ぶるーもう済んだ?早く帰ろうよ~ボクおなかすいた~」
「も~やだ、禁欲やめた!僕はもっとこれで遊ぶからナキネズミはどっかで人魂でも食べておいでよ」
「えぇ~また人魂~?たまには遠出しようよ~ボクだって美味しい栗とか胡桃とか食べたいのに~」
「あぁんもう我慢できない、入れちゃおうそうしよう」
「も~ボク先に帰るからね~」

ナキネズミは呆れて帰ってしまいました。貴人はもうナキネズミのことなんか全く眼中にもないらしく、凄い勢いで服を脱ぎ捨てると、ジョミ~のナニの上に跨ってしまいました。

「あっ…すご~い、きもちい~い!こんなの初めて…っ」

(う…わ、わぁぁぁ…っ!!)

ずぶずぶずぶり、とジョミ~のモノが貴人の体の中に飲み込まれていきます。熱くて、濡れてて、きゅうきゅうと締め付けられて…。ジョミ~は初めてなのでよく分かりませんが、凄い名器です!その上、貴人はもう夢中でよがりながら腰をくねらせます。その腰使いは絶妙です。プロです。それはもう凄いのです。さすがガミガミキースが散々「あの妖狐は淫乱で性悪で以下略」と罵詈雑言繰り広げただけのことはあります。きっとジョミ~の知らないところで凄い評判が知れ渡っているのに違いありません。あまりの気持ち良さにジョミ~もくらくらしてきました。そして…そのうちにジョミ~の体にもしっとりと汗が滲み、全身に書かれた経文が溶けて流れて消えてきました。

「あぁ~ん、あぁ~ん、きもちいいよぉ~っ、あっ、あっ」

(わっ…やばっ!どうしよう…)

経文が消えてきた分、じょみの体も少しずつ見えてきてしまいます。しかし、一心不乱にジョミ~の上で腰を振る貴人は、ぎゅっと目をつぶっているので何も気づいていない様子。腰をくねらせながら自分の中のいいところにじょみのナニを擦り付けているらしく、声だって遠慮のかけらもなくあぁんあぁんとよがりまくり悶えながら喘いでいます。あまりに妖艶な狐の痴態に、ジョミ~の目は釘付けです。そのうちに、ジョミぃ、ジョミぃ、あぁ~っと一際甲高い嬌声を上げ、貴人はイってしまいました。途端にきゅううとナニがいい感じに引き絞られ、ジョミ~も我慢できずに貴人の中で果ててしまいました…。

「はぁぁぁ~、きもちよかったぁ~♪やっぱり久しぶりだったからかなぁ~…」

貴人はとっても気持ち良さそうな顔でがっくりとジョミ~の体の上に倒れ掛かりました。もうジョミ~の体から経文はすっかり溶けて消えてなくなり、ジョミ~の姿は丸見えです。あ~気持ちよかった~と目を開けた狐の視線と、あまりの気持ち良さに横になったまま息を荒げているジョミ~の視線とがぶつかりました。貴人の目がぱちくりと何度か瞬きを繰り返し…。

「う、うわぁぁぁぁぁ~!!!」

絶叫です。ヒィ!と白狐は身を翻して逃げようとするのですが、何せジョミ~のモノはまだ貴人の体の中に埋め込まれたまま。その上、身を起こしたジョミ~にその細腰をぐっと掴まれてしまいます。

「こんばんは…」
「き、きみ、な、なななんで…」
「ねえ…『僕のジョミー』って…どういう意味?」
「そ、そんなこと言ってない!はっ、はなせぇぇぇっ!」
「ダメ…だって貴方、凄く色っぽいんだもん…ね、もっとしてもいい…?」
「…@*#&@^#!!」

あわあわと大慌ての白狐は、快楽でとろりとした目をしたジョミ~にそのまま押し倒されてしまいました。多少は抵抗しましたが、元々快楽に弱い上筋金入りの淫乱狐のこと、あっという間に流されてジョミ~の下でアンアンと悦楽に悶え、朝までガツガツやりまくり…。



「酷いじゃないか、僕を騙したな!」
「そんな、騙すだなんて…貴方こそあんなに悦んでたくせに…」

えぇ~っ僕が悪者??どちらかというと元々の被害者は僕じゃないんだろうか…とかジョミ~は思ったりもするのですが、白々と夜も明けた頃、妖狐は真っ赤な顔をして涙をぽろぽろ流しながらジョミ~を罵っておりました。

「こ、これだから人間なんか信用できないんだ、人間なんか大嫌い!」
「ブルー…そんなこと言ったって、元はといえば、貴方が…」
「気安く名前を呼ぶなぁぁぁぁっ!!」

貴人は泣きながら服を身に着けると、くるりと狐の姿に戻り、物凄い勢いで外に飛び出していってしまいました。はぁ…とため息をつくジョミ~です。いつものように寺に薬を持っていくと、意気揚々と経文の効き目はどうだった、妖狐は仕留められたのかと聞く従兄弟にも「ん~別に誰もこなかったよ」と適当なことを言って誤魔化したりしました。

その夜から、ジョミ~の小屋には毎晩のように妖怪変化が訪れて、一晩中嫌がらせをするようになりました。大入道、天狗、鬼婆、化け猫、一つ目小僧、のっぺらぼう、ろくろっ首…ありとあらゆる妖怪変化が夜中物音を立てたりジョミ~を脅かそうとするわけです。始めの夜の嫌がらせがやっと止んだ後ジョミ~が窓から外を見ると、白い狐とナキネズミがぱたぱたと駆けて行くのが見え、ジョミ~はまたまたため息をつきました。

(いまどきこんな古典的な嫌がらせで僕を脅かせるとでも思ってるんだろうか、しょうがない人だなぁ)

幾夜かが過ぎたある夜のこと、いつものようにジョミ~を脅かそうとやってきた赤鬼の手をぎゅっとジョミ~は握ってみました。ビクリとしたところを見ると、多分ナキネズミではなくて白狐です。

「あのねブルー。僕、貴方のことが好きです」
「…)#($*%*#!!!」

物凄くいかつい顔をした赤鬼は、ジョミ~の手を振り払って逃げていってしまいました。そして、その夜からぱったりとジョミ~は妖怪変化に悩まされることもなくなりました。嫌がらせの次は完全無視です。全くしょうがない狐です。ジョミ~としては普通に会いに来て欲しかったので、これは困りました。普通に探しに行っても逃げられるだろうし…。ジョミ~は考えた挙句、狐ではなくナキネズミに会いに行くことにしました。

「ぶるー、意地っ張り」

ジョミ~が持参したどんぐりや栗や胡桃をぼりぼりと食べながらナキネズミは言います。ナキネズミを探すのは簡単でした。ナキネズミはどうやらイヤイヤ狐の嫌がらせの片棒を担がされていたようで、ジョミ~の賄賂…いえお土産を見ると森の中からぴょこんと出てきてコンニチハしてくれたのです。

「僕、ブルーに嫌われたのかなあ。人間なんか大嫌いって言ってた」
「ぶるー、ニンゲン嫌いなのやなことされたから」

ナキネズミが教えてくれたことには、白狐がまだ子供だった頃、両親をニンゲンに殺されてしまったのだそうです。同時に生け捕りにされた狐はなんとか助かろうとしました。まだ子供だった狐はあまり術が使えず、一つだけ使えた術は、人への変化でした。狐のままだと毛皮を欲して殺されてしまう、ニンゲンに変身すれば助けてもらえるかも…と、子供だった狐は捕まった人間の前で人に変化したのです。しかし…子供の頃から大層美しい見目形をしていた狐を襲ったのは、ただ殺されるよりも更に過酷な運命でした。それまでただ金銭欲で濁っていた猟師の目が、今度は色欲で歪んだのです。結局狐は猟師の家に閉じ込められた挙句、日夜を問わずそれはそれは筆舌に尽くしがたい蛮行をその身に受ける羽目になったのです…。それから狐は大の人間嫌いになり、色んな人間を誘惑しては弄び破滅させる性悪の淫乱狐となってしまったのです。

ジョミ~はますます狐が憎めなくなり、更に狐への想いが強くなるのを自覚しました。ナキネズミが言うには、子供のジョミ~に出会ってから狐は他のどんな人間にも見向きもしなくなり、あれほど男漁りが趣味だったのにいきなり禁欲を始め、特別な体質であるジョミ~を付けねらう妖怪を見つけては喧嘩を売り撃退し追い払っていたのだそうです。それでも狐は絶対にジョミ~への気持ちを認めようとしないので、ナキネズミは最近うんざりしていたところでした。

「狐ってヨメイリするんでしょ。じょみー、ぶるーにヨメイリする?」
「…うーん、僕は出来ればブルーに僕のところにお嫁に来て欲しいと思っているんだけど…」
「ヨメイリって凄くメンドーなんだって。一杯シキタリあるんだって」
「しきたり?どんな?」
「ぶるーはいいところのおじょうさんだから男の方が一杯頑張らないといけないんだっていつもいってる」

おじょうさんではないだろう、とジョミーは思いますが、確かにお殿様やらお公家様など相手にしていた狐のこと、男に貢いでもらってナンボというところがあるのかもしれません。庶民の自分にどうにかできるしきたりなんだろうか…と心配になりながらも、とにかくそのしきたりとやらをナキネズミに教えてもらいました。しかし、いくら脈がありそうだとはいえ、ひょっとしたら狐にもう嫌われてしまっている可能性もなくはないわけです。ジョミ~は悩みつつ、まずはそのしきたりの第一段階である「恋文」をしたためてみました。そして書きあがった恋文を手に、ナキネズミから教えてもらった狐のねぐらへとやってきます。どうやら狐は中にいる様子…こっそりと中の様子を伺ってみると、なにやらくぐもった声が聞こえます。

「あ、あ、あぁん…」

(…!!)

なんと白狐は人間の姿で淫猥に身をくねらせているではありませんか。更に中を覗いてみると、狐は片手を後ろに回して弄りながら、もう片方の手で自分自身を慰めているようです。くちゅ、くちゅ、と濡れた音と甘い狐の喘ぎ声…。

「あぁん、あぁん、じょみ、じょみぃっ!!」

自分の名前を何度も呼びながら悦楽に耽る白狐…。ジョミ~の頬は熱くなりました。どうやら嫌われているかもしれないという心配はないようです。しかしこんな場面に踏み込んだと知られれば、気位の高い狐のこと、もう一生口を聞いてもらえないかもしれません。なのでジョミ~はこっそりと引き上げ、その日は持参した恋文をナキネズミに言付けることにしました。「しきたり」とやらに乗っ取って、ジョミ~が心を込めて綴った恋文です。なにしろガミガミキースがしっかり躾けましたので、庶民とはいえそれなりに教養のあるジョミ~のこと、格調高い文章で切々とジョミ~の心の内を綴った熱~い恋文です。気位の高そうな狐に気に入ってもらえるように、ちゃんと自ら調合した香を焚き染めました。あの様子から見るからに、多分わざわざ香など焚き染めなくてもジョミ~のニオイが染み付いてさえいれば喜んでくれそうな感じではありましたが…。

翌日、もうジョミ~の前では面倒になったのか、化けることすらやめたナキネズミが狐からの返事を持ってきました。

「じょみー、おへんじ」
「ありがとう、これ、昨日拾ってきた栗だよ。僕の文、ブルーは喜んでくれてた?」
「真っ赤になってた。じょみー、いつヨメイリ?」
「お嫁入りはまだだよ、文を幾つか交わした後はブルーに気に入ってもらえるような貢物を贈らないといけないし、やっぱりきちんと結納とか…」
「ぶるー意地っ張りでじょみーたいへん」
「うん、でもそういうところが好きなんだ」

なんだか良い香りのする紙に、綺麗な文字でさらさらと書かれていたその返事は、それはそれはそっけない内容ではありましたが、とりあえず「断る」という文章はどこにも書かれておらず、ジョミ~はほっとしたものです…。ジョミ~は幾通も恋文をしたためてはナキネズミに持たせました。文の次は貢物です。ナキネズミが狐の好物を色々と教えてくれたので、遠くの町まで美味しいと評判のあぶらげを求めに行ったり、自作で美味しい白酒を作ったりしてせっせと狐の元へと届けました。そうして何度も狐の元へと通いつめ、ついに求婚です。

「き、君がど、どうしてもっていうならか、考えてあげないでも…ないよ」

ツンとすましてジョミ~に背を向けてはいるものの、隠し切れない気持ちに尻尾はぱたぱた、白い狐の耳は真っ赤です。素直じゃなくて意地っ張りで、愛らしいったらありゃしません。もう本当にこの人はしょうがない人だなぁ…と笑いをかみ殺しながら、そのまま後ろからぎゅっと抱きしめたいのを我慢し、ジョミ~は「一生大切にしますからどうぞ僕のところにお嫁に来てください」と土下座して深々と頭を下げたものです…。

一番難航したのは結納でした。というより結納の準備です。ジョミ~には両親がいませんし、さすがに従兄弟には真実を伝えなければならないだろうと全てを話したところガミガミキ~スは当然大激怒。

「貴様、妖狐にほだされたばかりか、嫁に貰うだとおぉぉぉ~?!恥を知れ、恥を!貴様、たぶらかされてるんだぞ、俺が退治してやる~!!」

元はといえばこの従兄弟のせい…いやおかげで二人はくっつくことになったというのに、勝手な従兄弟だなあとジョミ~は思ったりしてしまいます。いわばキースは二人の愛のキュ~ピッド(笑)説得は簡単ではありませんでしたが、先代の僧侶を手こずらせた大狸を、狐があっさりとコテンパンにしてしまったという話を知って少々風向きが変わりました。狐はああ見えてかなりの神通力の持ち主なので、寺に持ち込まれる妖怪退治の相談を白狐が引き受けるということでキースの態度も軟化しました。よって最終的にはキースもしぶしぶながらも狐の嫁入りを認め、キースとナキネズミ一家など身内(?)だけでささやかな祝言を挙げました。嫁姑(笑)の関係は良好とはいえませんでしたが、間に挟まれたジョミ~がいつもにこにこほがらかなのでまあまあうまくやっています。今までジョミ~の知らなかったような珍しい薬草など狐が教えてくれるおかげで、薬師としてのジョミ~の評判もますます高まり、二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ。
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