ASIAの独り言

在米ジョミブル者の独り言。全て自己責任でお読み下さい。
愛の妄想劇場・テラニア国物語焼き直し版(1)
以前もナルニア国物語パロでちょびっとだけネタメモ的な妄想を繰り広げたんですが、最近になって急に同じ題材で更に妄想を深めたくなりまして(笑)ちなみに以前描いた2P漫画との設定とは違う設定です。でも改めてこうして読み返してみるとやたらと無駄にドラマチックでちょっくらこそばゆいんですが…(*--*)長くなってしまったので全部で3部に分けることにしました。相変わらず強引なネタ振りと無茶な展開てんこ盛りなんですが(そもそも男なのに魔女ってどんだけ)どんなネタでも笑って許せるわって方のみ↓ドウゾ~☆






テラニア国は大昔はそれはそれは美しい世界でした。しかし、どのような美しい世界であっても、生きている世界というものは長い時間をかけて少しずつ汚れを溜めていくのです…。そこで、大いなる力の働きで、テラニアは浄化されることになりました。

テラニアを浄化させるために作られた存在が、ブルーとジョミーの二人でした。二人は元々一つの存在だったものを二人に分けたので、どんなに遠くにいてもお互いの存在を感じることが出来るのです。ブルーとジョミーにはそれぞれ違う力が与えられました。まずはテラニアの汚れを集め、破壊し、浄化させる力がブルーに与えられました。そして、一度浄化されて壊れた世界を再生させ創造する力がジョミーに与えられました。テラニアには多くの生き物や人々が住んでいましたが、ブルーとジョミーの存在はそれらの生命とは全く異なる性質のものとしてテラニアに生まれ出ることになりました…。



「…?」

テラニア国の隅のある小さな洞窟で、月の光を編み込んだような銀髪と紅い目を持つ麗人が目を覚ましました。

「ここは…どこだろう…」

麗人は全く過去の記憶も持たず、自分が誰かなのすらも分からず、自分のいる場所がどこであるかすら全く分かっていませんでした。彼の記憶はテラニアに働く大いなる力によってあらかじめ消されていたのです。

麗人が洞窟を出てみると、そこには大きな野原と、その向こうに森林が広がっていました。とても美しい深緑の景色でしたが、自分を取り囲む情景にどこか汚れたものが混じっていることに、浄化の力を持つ麗人の特別な感覚は気がついていました。例えば地面に生えている草を見ても、生命力に溢れた草に混じって、必ず2,3本、かすかですが腐臭を帯びた草が混じっているのです。他の者であれば全く気づかないであろうその情景に、麗人は目ざとく気がつきました。麗人が単なる好奇心で目の前に生えている草に手を伸ばして触れてみると、麗人の指先からはキラキラと輝く小さな小さな氷の粒が舞い降り、麗人が触れた草はそこだけ綺麗に凍り付いてしまったのです。

「…!」

ぎょっとして麗人は手を引っ込めました。

「こっ…凍って…」

凍ってしまったのはほんの2,3本の草でしたが、もし生きているものにでも触れたら凍傷を起こさせてしまうかもしれません。気をつけなくては、とブルーは肝に銘じました。



しばらくして、テラニア国の他の場所でジョミーが目覚めました。百獣の王と呼ばれる金色の獅子の姿を取って生まれ出たジョミーですが、先に生まれたブルーと違って、全ての記憶を持っていました。何故ならば、テラニア国に働く大いなる魔法も万能ではなく、なんらかの理由で浄化が上手くいかなかった場合に備え、自分達の役割を自覚した上で軌道修正を行う者が必要だったからなのです。創造者でもあるジョミーはきちんと自分とブルーの役割を弁えていました。そして、自分の半身であるブルーがどこにいるのかも感じ取ることが出来ました。しかし、ジョミーはそこで一つ誤算があったことに気づいたのです。浄化を行う役割を司るブルーは確かに目覚めている筈なのですが、その魔力は大変に弱く、不完全なものでした。テラニアの浄化には破壊が不可欠なのですが、その役割を自然と担うにはブルーの心があまりにも優しすぎたのです。自分の触れるものが全て次から次へと凍ってしまうことに気づいたブルーは、洞窟に戻ってそこでひっそりと寝起きし、必要最低限の時のみ外に出て、なるべく何にも触れないように注意を払って隠れ住みながら過ごしていました。これではテラニアの浄化など、どうあっても不可能です。テラニアの浄化が行われない限り、再生もありえない…このままではテラニアは滅びてしまうのです。

「困ったな…」

世界を破滅させ、浄化させるブルーの力を目覚めさせるには、大きな怒りと憎しみがどうしても必要でした。何の記憶も持たずに生まれたばかりのブルーの魂は、それはそれは無垢で美しいものでしたが、このままではテラニアの世界はゆるやかに滅亡していくことになってしまいます。そして、ブルーの力を目覚めさせられるのは、その半身であるジョミーだけなのです。ジョミーは生まれながらに自分の半身であるブルーを全身全霊で愛していました。それだけに、ブルーの力を無理矢理に目覚めさせることは非常に不本意だったのですが、それがジョミーに課せられた役割とあれば果たさないわけにはいきません。予言はどうあっても成就されなければならない、それがこの世の理です。ジョミーはいやいやながらも心を鬼にして、自らに課せられた宿命に従うより他はありませんでした。

獅子の姿であったジョミーは、ブルーの寝起きしている洞窟にこっそり出かけていきました。近くの木々に身を隠しながら様子を伺うと、洞窟からブルーが出てきました。なるべく周囲のものに触れないよう、最大限の注意を払いながら外の空気を楽しんでいるようです。人懐こいナキネズミがひょっこりとと森から出てきたかと思うと、ブルーの方にトコトコとやってきます。ブルーは慌ててナキネズミがそれ以上近寄らないように、自らの手を引っ込めていました。何かを心得ていたのでしょうか、ナキネズミもそれ以上近寄ろうとはせず、ただ尻尾を振りながらブルーの傍にちょこんと座っています。テラニアに暮らす他の生き物達とは違って、ブルーもジョミーも食べることも飲むことも必要の無い存在でした。そうでなければブルーはとっくに飢え死にしてしまっていたことでしょう。半身として常にブルーの存在を身近に感じていたジョミーでしたが、ブルーの姿をその目で垣間見たのはこれが初めてでした。月の光のような銀髪、抜けるような白い肌、そして優しく輝く石榴のような深紅の瞳。

(なんて綺麗な人だろう。僕は他にこんなに美しいものを知らない)

ジョミーはしばらくブルーの姿に見とれてしまいました。姿形の美しさはともかく、創造者であり再生者であるジョミーをうっとりと酔わせるほどにブルーの魂は穢れなく高貴なものであったのです。ジョミーは全身全霊でブルーを欲しました。しかし…。

(こんなに美しい人を傷つけなければならないなんて…)

黄金の獅子の瞳は曇りました。それでも、テラニアのためにこれはどうしても成さねばならぬことなのです。ジョミーはブルーに会いに行くために人型を取りました。太陽のように輝く黄金色の髪、若草を思わせる碧の瞳。ジョミーは姿こそはまだ少年でしたが、これから果たさねばならぬ自分の意に染まぬ目的のために、その目には暗い色が浮かんでいたのです。



麗人がいつものようにこっそりと洞窟に戻ってくると、そこに一人の少年が立っていました。麗人は大変に驚きました。何故って、麗人はこの世界に生まれ出てきてから自分以外の人というものを見かけたことが無かったからなのです。

「君は…誰だい?」

心を期待に躍らせて、麗人は少年に問いかけました。記憶は無くとも、目の前の存在が、自分が出会うべくして出会った存在であることを感じ取っていたのです。

「やあ、ブルー」
「ブルー?それが僕の名前なのかい」
「僕は『シン』だよ」
「シン…?」

麗人は小首を傾げました。『シン』というのは、ジョミーに与えられた、創造・再生者としてのテラニア国での名前でした。ブルーはこの世界における自分の役割も知らなければ、シンのことも何も知りません。しかしながら、目の前にいる相手が自分と非常に強い絆で結ばれた運命の相手であるということは本能的に悟りました。なにしろ一人ぼっちの世界で始めて出会った相手です。喜びを覚えながら言葉を返そうとした瞬間、目の前の黄金色の髪をした少年は全く意外な言葉を口にしました。

「僕は、君を殺す定めの元に生まれてきたものだよ」
「何を…何を言っているんだい?君が、僕を…殺す?」

ブルーはとても信じられません。

「そう、君は『白い魔女』だ。このテラニア国に仇なす者。古い予言と契約に従って、僕はいつか君の命を断つだろう」
「な…!」

最後まで言い終わらないうちに、ジョミーはブルーに飛び掛りました。

「駄目だ、僕に触れたら…!」

こんなときまでブルーは自分の不思議な力がジョミーを傷つけることを心配していました。その誠実さを垣間見てジョミーの心は痛みましたが、背中と後頭部を地面にぶつけるブルーに構わず、ジョミーはブルーの衣服を引き裂きます。勿論ブルーの力はジョミーには全く影響を及ぼしません。

「なっ…、なにをするんだ、やめてくれ!!」

ブルーは必死で抵抗しましたが、ジョミー、いえ、『シン』には決してかないません。非常に荒々しい仕草で、シンはブルーを蹂躙し、外から中から引き裂いていくのを、信じられない思いで受け止めるしかありませんでした。ブルーの本能は、どこかで自分にのしかかるこの少年が自分の半身であると告げていました。では、彼は何故自分にこんな酷い真似をするのでしょう。ショックのあまりにブルーは暴れだしました。

「シン…やめろ、やめてくれ…どうしてこんなことをするんだ…」

激しい抵抗を続けるブルーの白い肌には幾つもの擦り傷や切り傷が出来、何度もその頬をシンに張られます。口の中も切れ、鉄の味がブルーの口の中に広がります。

「君は…『白い魔女』だ。テラニアに害をなし、テラニアを滅ぼす者だ…覚えておくがいい…」
「痛い…痛…いっ…やめろ、やめてくれ…っ」
「やめるものか…自分の立場を思い知るがいい…っ」
「うああぁあ…っ!!!」

シンの楔が容赦なくブルーの体を貫きます。全身を走る激痛に、見開かれたブルーの目から涙がぽろぽろ零れ落ちます。シンの心はズキリと痛みました。でも、ここで少しでも情けをかけてしまえば、ブルーの中に眠る『白い魔女』を目覚めさせることはできません。シンはどこまでも荒々しくブルーを犯し、ズタズタに傷つけていきました…。


嵐のように全てが終わった後、ぼろ切れのように床に転がったブルーをシンはただ冷たい目で一瞥するだけでした。ブルーは全身傷だらけで、頬は晴れ上がり、あちこちから血を流しています…。目に留めるだけでも痛々しいその姿に、シンは思わずかけよって抱き上げたくなりました。が、シンはここで最後の仕上げをしなければなりません。シンは右手を上げました。その指先からは、ライオンのように尖った爪が現れます。シンは、その手を振り下ろし、ブルーの胸を深く抉りました。

「ぐああぁっ!!」

ブルーの胸からは鮮血が舞い、そこには深い深い傷跡が残りました。シン以外の者の目には見えませんが、シンはその一撃でブルーの心のを深く抉り取ったのです。優しい心を持って生まれてきたブルーでしたが、ブルーが生まれてきたその役割を果たすためには、その心がどうしても邪魔になるからなのです…。

「ふふ…僕が憎い?本当に君はみっともないね、僕の下で喘ぎながら腰を振って…あさましい、娼婦のようだね、君は生来の淫乱だ」
「なん…だと…」

そんなわけはありません。腰を振るどころか、暴力によって引き裂かれたブルーが感じていたのはどこまでも苦痛のみで、ただひたすら泣き叫びながら許しを請うていたのですから。しかし、冷たく残酷な視線で見下ろしながら、ことさらそんな言葉を選んでシンは更にブルーを傷つけるのです。掠れた声で、ブルーは殆ど反論することすら出来ませんでした。

「僕が憎ければ、僕を殺しに来るがいい。君の力は僕には通じないけれどね。予言通り、僕はいつか君を殺すよ。死ぬのをただ待ちたい?それとも、僕に一矢でも報いたい?君にそれほどの力があればだけどね」
「……よくも…殺す…お前だけは、必ずこの僕の手で殺す…!」

地を這うばかりのブルーの唇から流れ出てきたのは、血を吐くような呪詛の言葉です。シンを睨みつけるその紅玉のような瞳には、まごうことなき怒りと憎しみの色で染められていました。燃え上がるような憎しみに染められながら、ブルーはどこまでも美しく…。瞳に込められたその色に、シンの背筋にゾクリと興奮が走ります。無理矢理に暴力で蹂躙されたことにより、ブルーの魂は歪められてしまったのです…来るべきその日のために、果たすべきその役目を果たすために。

「面白い…できるものなら、やってみるがいい。ブルー、僕を殺しにくるがいい」

あはは…と嘲笑しながら、シンは金色の獅子に姿を変え、洞窟から走り去りました。

後に残されたブルーは、全身を怒りに燃やし、全身傷だらけの姿でよろよろと洞窟からまろび出ました。すると、なんということでしょう、ブルーが洞窟から足を踏み出した途端、それまで美しい緑に輝いていた草原や森林は、一瞬にして真冬の冬景色に姿を変えてしまいました。それまでブルーの優しさによって封じられていた、『白い魔女』の魔力が、完全に目覚めたのです。急に一気に気候が変わったことに驚いたのか、森の中から一匹のナキネズミが飛び出してきて、ブルーの元に駆け寄りました。さぞかし足が冷たいだろうと、慌ててブルーがナキネズミに反射的に手を差し伸べたところ…ナキネズミは一瞬にして、冷たい石の彫像に変わってしまいました。

「あ…あ…あああああ…!!!」

あまりにも瞬時の出来事で、一体何が起きたのか分からなかったブルーでしたが、やっと自分の身に起きていることを悟ると、その唇からは狂気と絶望の絶叫が流れ出ました。手当たり次第に触れるもの、全てが次から次へとたちまち氷の塊に変わっていきます。たった今まで、暖かい息吹に満ちていた景色が、あっという間に生命の一つも感じられない冷たい世界に姿を変えてしまいました。ブルーは自らの手を食い入るように見つめながら、がっくりと雪原に膝を落としました。

「いやだ…いやだぁぁぁぁぁぁ…!!!」

ブルーの血を吐くような絶叫は、もはや誰も生きているもののない雪原に響き渡っていったのです…。



その頃シンは獅子の姿で遠くからブルーの慟哭を感じていました。

(貴方がその傷から血を流すだけ、流す涙の分だけ、テラニアは浄化されていく。ブルー…許してもらえるとは思わない、君を傷つけたくなかった、でも…予言は成就されなくてはならない。これが僕達の役目なんだ…)

全身全霊で愛する自分の半身を、自らの手でその優しい心を抉り取り、ボロボロに引き裂きズタズタに傷つけた事実はシンの心を重くします。ブルーへ甘く愛を語り、優しく抱くことが出来たのであればどれほどよかったか。しかし、テラニアの再生のためには『白い魔女』の完全な目覚めがどうしても必要だったのです。ブルーがシンへの復讐に狂えば狂うほど、テラニアの腐った膿が搾り出されていく。テラニア再生のため、これからもどんどんブルーは傷ついて生きていかねばならないのです。しかも、ブルーとシンを殺すことが出来るのは、お互い同士か、予言に出てくるアダムの息子、イブの娘達のみ。ブルーはこれから予言の日までの定められた長い時間を、ただひたすらシンに対する怒りと憎しみのみにその身を染めながら生き続けていかなければならない…。シンの心は痛みます。

しかし同時に、シンは自らの独占欲が満たされる妙な満足感を覚えてもいました。

(これで、テラニアの誰もブルーに触れることも触れられることもできなくなった。凍て付いてしまった君の心はは誰からも愛されることがなく、誰を愛することもない。君が誰かのもになる日は永久にこない。僕のものにすることができないのであれば、君を決して誰にも渡さない。君は僕のものだ…僕だけの…)

そう思うと、シンはどこか安心できるのでした。勿論、予言の通りにテラニアに現れるであろうアダムの息子とイブの娘だけは例外です。この世界の生き物でない、人間の子である彼等はきっとシンと同様にブルーに触れても触れられても氷にはならないことでしょう。しかし…

(彼等はまだ年端のいかない子供達として現れるはずだ。きっと大丈夫。それに…たとえ彼等といえども僕のブルーに指一本触れることは許さない。ブルーを殺すときは…僕が、必ずこの手にかけよう)

(そして、僕も…僕も、決して誰のものにもならない。僕を愛していいのは君だけだ。そして僕も、君だけを愛し続けていくよ、ブルー…)

『白い魔女』が凍て付いた氷原に蹲り怒りと憎しみでシンへの復讐を誓う呪詛の言葉を吐き続ける傍ら、遠く離れたところでは黄金の獅子の哀しげな遠吠えがいつまでも響き続けていました。


そうして『白い魔女』が真に目覚めたテラニアでは、古い予言通りにその日から雪と氷に閉じ込められた、終わることのない冬がずっと長いこと続くことになったのです…。
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